2016年08月01日 13時10分

Source: Eisai

エーザイ、抗がん剤「ハラヴェン」臨床第III相試験の追加解析結果を発表
第14回日本臨床腫瘍学会学術集会のプレナリーセッションにおいて発表

東京, 2016年08月01日 - (JCN Newswire) - エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役 CEO:内藤晴夫)は、自社創製の抗がん剤「ハラヴェン(R)」(一般名:エリブリンメシル酸塩、以下 エリブリン)の進行または再発の悪性軟部腫瘍(平滑筋肉腫または脂肪肉腫)を対象とした臨床第III相試験(309試験)の追加解析結果について、2016年7月28日~30日に神戸で開催された「第14回日本臨床腫瘍学会学術集会(Japanese Society of Medical Oncology Annual Meeting)」のプレナリーセッションにて発表しましたので、お知らせします。(発表者:Patrick Schoffski 教授、ルーヴェン大学病院、ベルギー)

309試験は、アントラサイクリン系抗がん剤治療を含む少なくとも 2レジメンの前治療歴を有する進行または再発の悪性軟部腫瘍(脂肪肉腫または平滑筋肉腫)の患者様(18歳以上、452人)を対象とした、エリブリンと対照薬であるダカルバジンの有効性および安全性を比較した臨床第III相試験です[1]。

事前に規定した脂肪肉腫および平滑筋肉腫における奏効期間の解析において、奏効期間の中央値(95%信頼区間)は、エリブリン投与群で 12.5カ月(1.7-推定不能)、ダカルバジン投与群で 4.2カ月(2.2-14.7)でした。また、追加解析として、309 試験における脂肪肉腫の患者様を、脱分化型脂肪肉腫(dedifferentiated liposarcoma)、粘液・円形細胞型混合脂肪肉腫(myxoid/round liposarcoma)、多形型脂肪肉腫(pleomorphic liposarcoma)の3つに亜種分類して解析した結果、エリブリン投与群は、ダカルバジン投与群に比較して、いずれの亜種分類においても全生存期間(overall survival: OS)延長の傾向を示しました。

本試験におけるエリブリン投与での有害事象の発現(頻度 25%以上)は、疲労、好中球減少、悪心、脱毛、便秘、末梢神経障害、腹痛、発熱であり、これまで確認された安全性プロファイルと同様でした。

エリブリンは、新規の作用機序を有するハリコンドリン系の微小管ダイナミクス阻害剤です。従来の作用機序に加えて、最近の非臨床研究において、腫瘍の血流循環を改善すること [2]、乳がん細胞の上皮細胞化を誘導すること、乳がん細胞の転移能を減少させること[3]など、ユニークな作用を有することが知られています。本剤は、乳がんに係る適応について、2010年11月に米国で最初の承認を取得し、これまでに日本、欧州、米州、アジア等、60カ国以上で承認を取得しています。また、悪性軟部腫瘍に係る適応については、2016年1月に米国で最初に適応を取得したのをはじめ、日本、欧州などで承認を取得しています。

当社は、がん領域を重点領域の一つと位置づけており、がんの「治癒」に向けた革新的な新薬創出をめざしています。当社はエリブリンのさらなるエビデンスの創出に注力し、本剤の製品価値最大化を通じて、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://www.eisai.co.jp/news/news201655pdf.pdf

[1]Schoffski P et al. Eribulin versus dacarbazine in previously treated patients with advanced liposarcoma or leiomyosarcoma: a randomised,
open-label, multicentre, phase 3 trial. The Lancet. 2016; 387, 1629-1637.
[2]Funahashi Y et al. Eribulin mesylate reduces tumor microenvironment abnormality by vascular remodeling in preclinical human breast cancer
models. Cancer Sci., 2014; 105, 1334-1342
[3]Yoshida T et al. Eribulin mesilate suppresses experimental metastasis of breast cancer cells by reversing phenotype from
epithelial-mesenchymal transition (EMT) to mesenchymal-epithelial transition (MET) states. Br J Cancer, 2014; 110, 1497-1505

概要:エーザイ株式会社

エーザイ株式会社は、研究開発型のヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業で、グローバルに研究・製品の開発・販売活動を行っています。エーザイは、神経・精神領域を含むインテグレーティブ・ニューロサイエンス、がん治療と支持療法を含むインテグレーティブ・オンコロジー、血管・免疫反応領域の3つの治療領域に活動を集中し、世界各地にある研究、生産、販売拠点を通じて、世界の患者様に貢献しています。エーザイ株式会社の詳細情報は www.eisai.co.jp をご覧ください。

Source: Eisai
セクター: バイオテック

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