2017年06月20日 16時30分

Source: Fujitsu Ltd

理研と富士通、「京」が性能指標(HPCG)において2期連続で世界第1位を獲得

産業利用など実際のアプリケーションにおける高い性能を証明

TOKYO, Jun, 20 2017 - (JCN Newswire) - 理化学研究所(理研)と富士通株式会社は、スーパーコンピュータ「京(けい)」(注1)による測定結果で、産業利用など実際のアプリケーションで用いられる共役勾配法(注2)の処理速度の国際的なランキング「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」において、2期連続で世界第1位を獲得しました。ランキングは、HPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング:高性能計算技術)に関する世界最高峰の国際会議であるISC17(注3)で発表されました。

HPCGは、連立一次方程式の処理速度を競うLINPACK(注4)や、グラフ解析の性能を競うGraph500(注5)とは異なる視点で性能を評価する指標で、スーパーコンピュータの性能をより多くの視点から評価するための新しい国際的なベンチマークとして、2014年からランキングが発表されています。前回、2016年11月のランキングでも、「京」は第1位を獲得しました。

測定には、「京」が持つ全計算ノード82,944台を用い、602.7TFLOPS(テラフロップス)(注6)という高いベンチマークのスコアを達成しました。このスコアはLINPACKで「京」より上位のスーパーコンピュータよりも高いことから、CPUの演算性能のみならずメモリやネットワークも含めたシステム全体としての性能バランスを重視して設計開発された「京」が、産業利用など実際のアプリケーションを非常に効率よく処理し、高い性能を発揮することを証明しています。

今回のHPCGでの第1位の獲得と、同じくISC17において発表されたTOP500(注7)第8位という結果と合わせて、幅広い分野のアプリケーションで成果を創出する「京」の総合性能の高さが、改めて実証されました。

HPCG上位10位

HPCGの上位10位は以下の通りです。

画像: https://www.acnnewswire.com/topimg/Low_FUJITSU20I70620.jpg
<訂正内容>
○中国の神威太湖之光が5位→3位に
○上記変更により日本のOakforest-PACSが4位→5位に
 (当初発表の3位以下のスパコンの順位が1つ繰り下げ)
なお、訂正後のランキングはHPCGホームページをご覧下さい。
http://www.hpcg-benchmark.org/custom/index.html?lid=155&slid=291

HPCGとは

世界中のコンピュータシステムの、連立一次方程式の処理速度上位500位までを定期的にランク付けし評価するプロジェクトとしてTOP500があります。TOP500の評価指標は、米国のテネシー大学のジャック・ドンガラ博士らによって開発された連立一次方程式を解くベンチマーク・プログラム:LINPACKです。TOP500は、プロジェクトが発足した1993年から20年以上が経過し、近年、実際のアプリケーションで求められる性能要件との乖離やベンチマークテストにかかる時間の長時間化が指摘されています。

そこで、ジャック・ドンガラ博士らにより、産業利用など実際のアプリケーションでよく使われる計算手法である共役勾配法を用いた新たなベンチマーク・プログラム:HPCGが提案されました。2014年6月のISC14で世界の主要なスーパーコンピュータ15システムでの測定結果の発表を経て、同年11月に米国ニューオーリンズで開催されたHPCに関する国際会議SC14から正式なランキングが発表されています。

「京」は今回のISC17で発表されたTOP500では第8位ですが、HPCGでは2016年11月に続き、2期連続で第1位を獲得しました。TOP500では「京」よりも上位で約9倍のスコアを持つ「神威太湖之光」などを上回っており、HPCGスコアで世界一であることは、「京」が産業利用などの実際のアプリケーションをより効率的に処理できることを示しています。

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/06/20-1.html

注釈
注1 スーパーコンピュータ「京(けい)」:文部科学省が推進する「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築」プログラムの中核システムとして、理研と富士通が共同で開発を行い、2012年に共用を開始した計算速度10ペタフロップス級のスーパーコンピュータ。
注2 共役勾配法:物理現象をコンピュータでシミュレーションする場合、大規模な連立一次方程式として解くことが多い。連立一次方程式を解く方法として、解を直接求める直接法と、反復計算を行うことで正しい解に収束させていく反復法がある。共役勾配法は、この反復法の一つであり、前処理を組み合わせることにより、早く正しい解に収束させることができる。コンピュータシミュレーションの世界ではよく使われている。
注3 ISC17:ドイツのフランクフルトで開催されているHPCに関する国際会議(2017年6月18日~22日)。各種カンファレンス・展示が催されるとともにTOP500・Graph500などの表彰も執り行われる。
注4 LINPACK:米国のテネシー大学のジャック・ドンガラ博士らによって開発された規則的な行列計算による連立一次方程式の解法プログラム(解を直接求める直接法を用いる)で、TOP500リストを作成するために用いるベンチマーク・プログラム。ハードウェアのピーク性能に近い性能を出しやすい。
注5 Graph500:近年活発に行われるようになってきた実社会における複雑な現象の分析では、多くの場合、分析対象は大規模なグラフ(節と枝によるデータ間の関連性を示したもの)として表現され、それに対するコンピュータによる高速な解析が必要とされている。例えば、インターネット上のソーシャルサービスなどでは、「誰が誰とつながっているか」といった関連性のある大量のデータを解析するときにグラフ解析が使われる。こうしたグラフ解析の性能を競うのが、2010年から開始されたスパコンランキング「Graph500」である。
注6 TFLOPS(テラフロップス):コンピュータの性能を示す単位のひとつ。接頭語T(Tera)は10の12乗を表す単位で、TFLOPSは1兆回の浮動小数点数値演算を1秒間で行うことを示す。FLOPSはFLoating-point Operations Per Secondの略。
注7 TOP500:TOP500は、世界中のコンピュータシステムの、連立一次方程式の処理速度上位500位までを定期的にランク付けし、評価するプロジェクト。1993年に発足し、スーパーコンピュータのリストを年2回発表している。

概要:富士通株式会社

詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。

Source: Fujitsu Ltd
セクター: エレクトロニクス, ITエンタープライズ

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HPCG上位10位
 

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