NEC、長崎県諫早市に土砂斜面の危険性の変化をリアルタイムに見える化する「土砂災害予兆検知システム」を構築

2017年08月30日 13時50分

Source: NEC Corporation

諫早市飯盛町の土砂災害特別警戒区域内にて稼働開始

東京, 2017年08月30日 - (JCN Newswire) - NECは、長崎県諫早市において、土砂に含まれる水分量から土砂斜面の危険性の変化をリアルタイムに見える化する「土砂災害予兆検知システム」を構築しました。本システムは、諫早市飯盛町の土砂災害特別警戒区域内にて本年4月から稼働を開始しており、避難指示や避難勧告などの各種発令の判断を支援する「発令判断支援システム」と連携した運用を本年8月から開始しています。

「土砂災害予兆検知システム」は、NECが世界で初めて開発した、土砂に含まれる水分量のみから斜面崩壊の危険度を算出するデータ解析技術を活用しており、水分量を計測するセンサー子局を土砂斜面に設置するだけで、リアルタイムに斜面崩壊の危険性を見える化できます。
今回の本システムのモデル的導入により、諫早市は土砂災害の予兆検知につながる情報を取得できるとともに、「発令判断支援システム」で土砂斜面の危険性や降水量のアラート通知などを統合的に管理することで、住民への迅速な避難勧告や避難指示に役立つことを期待しています。

NECは社会ソリューション事業に注力しており、今後もIoT(Internet of Things)をはじめとする先進の防災ICTを活用した新技術やソリューション提供を推進することで、安全・安心な社会づくりに貢献していきます。

背景

長崎県南の中央に位置する諫早市は、温暖期に発生する大雨の影響による災害が頻繁に発生しています。とくに、1957年に発生した集中豪雨は土砂災害などにより甚大な被害が出たことから、同市の住民や職員は長年にわたり災害対策能力の向上に向けた取り組みを推進しています。
今回、諫早市は「土砂災害予兆検知システム」をモデル的に導入することで、大雨や集中豪雨による土砂斜面の危険性の変化をリアルタイムかつ定量的に見える化し、迅速な避難勧告や避難指示の有効性を見極めていきます。

土砂災害予兆検知システムについて

本システムは、土砂斜面に設置し土砂に含まれる水分量を測定するセンサー子局、複数のセンサー子局の測定データをまとめてクラウドに送信する中継局、測定データを蓄積・解析するクラウドサービスから構成されます。本システムの主な特長は以下のとおりです。

1.土砂に含まれる水分量から土砂斜面の崩壊の危険性を見える化
土砂斜面の崩壊の危険性を求める解析モデル「斜面安定解析式」に必要な土砂の重量・粘着力・摩擦、土中の水圧という土砂状態を表す4種のパラメータを、土砂に含まれる水分量のみから算出するNECが世界で初めて開発したデータ解析技術を活用しています。土砂に含まれる水分量を測定するセンサー子局を斜面に設置するだけで、リアルタイムかつ定量的に土砂斜面の崩壊の危険性を見える化できます。

2.「発令判断支援システム」との連携により、災害情報の統合管理を実現
諫早市の「発令判断支援システム」との連携により、土砂斜面の危険性や降水量のアラート通知などの各種データを統合的に管理することで、市の職員による避難勧告や避難指示の迅速かつ的確な意思決定を支援します。

3.短期間かつ簡易なシステム構築を実現
センサー子局を斜面に設置するだけで土砂に含まれる水分量を測定できるため、短期間かつ簡易に土砂災害の予兆検知システムの構築を実現します。また、電源工事が不要なバッテリー稼働と省エネ設計により2年程度の連続稼働が可能なため、市の職員による維持管理の負荷を軽減します。
NECグループは、安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
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