TOPページ
|
英語
日本語
|
CONNECT WITH US:
ホーム
JCNについて
サービス
お問い合わせ
会員企業ログイン
*
ホーム
プレスリリース
2017年09月25日 11時50分
Source:
Honda Motor Co, Ltd
「2017年本田賞」京都大学 名誉教授 松波弘之博士が受賞
シリコンカーバイド(SiC)パワーデバイスの先駆的研究と実用化への貢献
東京, 2017年09月25日 - (JCN Newswire) - 公益財団法人 本田財団(設立者:本田宗一郎・弁二郎兄弟、理事長:石田寛人)は、2017年の本田賞を、「シリコンカーバイド(SiC)パワーデバイス」の先駆的研究と実用化への貢献を果たしたとして、京都大学 名誉教授 松波弘之(まつなみ ひろゆき)博士に授与することを決定しました。
1980年に創設された本田賞は、科学技術分野における日本初の国際賞であり、人間環境と自然環境を調和させるエコテクノロジー※1を実現させ、結果として「人間性あふれる文明の創造」に寄与した功績に対し、毎年1件の表彰を行っています。松波博士は、電力制御に用いる半導体素子「パワーデバイス」に、高効率な電力制御を実現する素材「シリコンカーバイド(SiC)」を用いる研究を、世界に先駆けて取り組んできました。この研究を通じて実用化されたSiCパワーデバイスは、電力の供給における制御過程で発生する電力損失の削減に寄与するものであり、松波博士の取り組みは、本田賞にふさわしい成果であると認め、今回の授賞に至りました。
本年で38回目となる本田賞の授与式は2017年11月16日に東京都の帝国ホテルで開催され、メダル・賞状とともに副賞として1,000万円が松波博士に贈呈されます。
松波博士のSiCパワーデバイスについて
電力は発電所で作られてから最終的にエネルギーとして利用されるまでに、電圧昇降や直流と交流の変換、電力量調整など様々な制御が行われます。電力制御の過程において用いられる半導体素子は「パワーデバイス」と呼ばれ、シリコン(Si)が主な素材として使われています。パワーデバイスに電流が流れると、電力制御する際に電力を消費し、その一部は熱となってエネルギー損失を起こします。そこで世界的にパワーデバイスの構造を見直す試みが続けられる一方、省資源・省エネルギー化を進めるために、Siに代わるパワーデバイスに適した新たな素材の登場が期待されています。
新たな素材の一つとして、Siとダイヤモンドに代表される高硬度素材である炭素(C)を組み合わせた「シリコンカーバイド(SiC)」に関する研究が1950年代半ばにアメリカで始まり、高温で動作するエレクトロニクス用電子デバイスの実現を目指し、その研究は世界規模で広がりました。
松波博士は早くからSiCに興味を持ち、その高温動作性と耐放射線性に優れた物性を活かす電子デバイスを実現すべく、1960年代後半から基礎研究に着手しました。
Siは規則正しいダイヤモンド構造を持つ単結晶であるのに対し、SiCは欠陥の少ない結晶成長をさせることが容易にできない取り扱いが難しい材料でした。また、結晶構造が異なる状態(結晶多形)が200種類もあるため、製品化に適した結晶多形が判明していませんでした。加えて、堅牢な構造を持つSiCはダイヤモンド並みの硬度を持つ為、加工作業が極めて難しいという課題もありました。多くの研究機関はSiCの実用化に挑んだものの、これらの課題を克服できず、研究機関のほとんどが撤退に至りました。
松波博士はSiCの基礎研究を続け、20年ほどの歳月を経た1987年に、基板の表面を数度傾けることで結晶多形が揃った均一なSiC薄膜を形成できる手法「ステップ制御エピタキシー※2」を発表しました。1990年頃にはSiパワーデバイスの性能限界が見え始めていたこともあり、この発見によってSiCの活用が世界的に注目され、SiCパワーデバイスの開発が飛躍的に進むことになりました。
2010年頃にはSiCパワーデバイスの実用化が開始。SiCをパワーデバイスに用いることで、電力損失を大幅に削減できることから、高速で高効率な電力制御が可能になりました。また、SiCは高電圧・高温に耐えうる性質を持つため、これまで必要としていた冷却装置は小さくなり電力制御機構の小型化も実現。2013年には東京メトロの地下鉄路線に導入されて、従来車両に比べて30%の省エネルギー化を実現しました。近年では、郊外電車や高速エレベータ、太陽電池用パワーコンディショナー、エアコンディショナー、燃料電池車に使用されるほか、ハイブリッド車、東海道新幹線での搭載実験が始まっています。今後SiCパワーデバイスの普及に向けては、量産技術の確立やコスト削減等の課題がありますが、さらなる電力消費の低減や小型化による省スペース、コストダウンの実現により電気自動車への搭載も期待されています。
松波博士の長年に渡る研究から生まれたステップ制御エピタキシーを始めとするSiCの製造方法およびパワーデバイスへの実用化技術は、パワーデバイスに用いる新たな素材としてSiCの可能性を切り開きました。また、SiCパワーデバイスが実用化されたことで、地球規模で急増する電力消費に伴う化石燃料消費・発電廃棄物の急増を解決することにも繋がることから、本田賞にふさわしい成果として今回表彰することとしました。
※1 エコテクノロジー(Ecotechnology):文明全体をも含む自然界をイメージしたEcology(生態学)とTechnology(科学技術)を組み合わせた造語。人と技術の共存を意味し、人類社会に求められる新たな技術概念として1979年に本田財団が提唱
※2 エピタキシー:ある結晶表面に、結晶軸の揃った同じ結晶もしくは良く似た他の結晶が成長する現象。ダイオードやトランジスタなどの製造工程に応用される。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.hondanews.info/news/ja/corporate/c170925a
概要:本田技研工業株式会社
詳細は www.honda.co.jp をご覧ください。
お問い合わせ:
公益財団法人 本田財団
TEL: 03-3274-5125
http://www.hondafoundation.jp
Source: Honda Motor Co, Ltd
セクター: 自動車, ビジネス, エンジニアリング
Copyright ©2024 JCN Newswire. All rights reserved. A division of Japan Corporate News Network.
関連プレスリリース
Honda、新型SUV「WR-V」受注状況について
2024年04月24日 10時00分
Honda、「N-VAN」を一部改良し発売
2024年04月18日 15時00分
Honda、ロードスポーツモデル「CB1300 SUPER FOUR SP」「CB1300 SUPER BOL D’OR SP」のカラーリング設定を一部変更し発売
2024年03月21日 11時30分
日産自動車とHonda、自動車の電動化・知能化時代に向けた戦略的パートナーシップの検討を開始
2024年03月15日 18時00分
Honda、「VEZEL」改良モデルをホームページで先行公開
2024年03月14日 12時00分
Honda、ガーナで四輪車の生産開始式典を開催
2024年03月08日 14時00分
Honda、普通自動二輪免許教習車「NX400L(教習車仕様)」を発売
2024年02月29日 11時00分
Honda、オンロードからフラットダートまで楽しめるクロスオーバーモデル「NX400」を発売
2024年02月16日 12時00分
Honda、「第21回 SMART ENERGY WEEK【春】」出展概要
2024年02月15日 11時50分
Honda、CDPの環境情報開示において最高評価の「気候変動Aリスト」企業に選定
2024年02月07日 10時40分
もっと見る >>
新着プレスリリース
UK advertising reports GBP36.6bn spend in 2023
2024年04月26日 18時30分
Internationally Renowned Botulinum Toxin Experts Join WizMedi Bio's New Botulinum Toxin Development Project
2024年04月26日 14時34分
スパークス・グループによる「宇宙フロンティア2号ファンド」の設立について
2024年04月26日 14時00分
トヨタ、2023年度 販売・生産・輸出実績を発表
2024年04月25日 16時16分
《"株のアルゴリズム取引"を個人投資家も実現可能に!》 株の自動売買アプリ「Trade Stand(トレスタ)」が 大幅アップデートを発表
2024年04月25日 12時00分
三菱重工、タイの超大型複合火力発電所プロジェクトでM701JAC形GTCCの7系列目が運転開始
2024年04月24日 14時30分
トヨタ・モビリティ基金、「自転車事故削減に向けた新たな官民連携のあり方」に関するシンポジウムを開催
2024年04月24日 14時00分
Honda、新型SUV「WR-V」受注状況について
2024年04月24日 10時00分
三菱みなとみらい技術館に「空・宇宙ゾーン」を新設、リニューアルオープン
2024年04月24日 10時00分
China Medical System: New Drug Application of Desidustat Tablets Accepted in China
2024年04月23日 23時06分
「富士通SX調査レポート2024」を公開、サステナビリティ経営成功のカギはデータ利活用
2024年04月23日 10時00分
富士通、世界初 形式の異なる企業のデジタルアイデンティティー証明書を変換する技術を開発し欧州データスペースへの接続実証に成功
2024年04月19日 10時00分
ランドクルーザー、新型車"250"シリーズを発売
2024年04月18日 15時00分
Honda、「N-VAN」を一部改良し発売
2024年04月18日 15時00分
三菱重工と日本ガイシ、アンモニア分解ガスからの膜分離水素精製システムを共同開発
2024年04月18日 14時00分
PAREMINAが革新的な抗老化ソリューションを携えて、Beautyworld Tokyo 2024でアジア初上陸を発表
2024年04月18日 13時45分
富士通とオラクル、日本市場におけるデータ主権要件に対応するソブリンクラウドの提供に向け戦略的協業
2024年04月18日 11時00分
トヨタの新スポーツメディア「トヨタイムズスポーツ」始まる
2024年04月17日 15時00分
Microex Launches Web3.0 Financial Trading Solution - Pioneering Innovation in Financial Technology
2024年04月17日 15時00分
エーザイ、抗てんかん剤「フィコンパ(R)」の注射剤を新発売
2024年04月17日 10時00分
もっと見る >>