2017年10月06日 11時00分

Source: NEC Corporation

NEC、インド国内における携帯電話基地局のエネルギー効率化に関する実証事業を完了
2年間の運用実績やAI技術などを活用し、2019年度からの事業化を検討

東京, 2017年10月06日 - (JCN Newswire) - NECは、インド国内で実施していた、再生可能エネルギー(太陽光発電システム、以下PV)とリチウムイオン蓄電システム(以下、LiB)を活用するエネルギーマネジメント技術を、電力事情の不安定な携帯電話基地局に導入しディーゼル発電機の燃料消費を削減する実証事業を完了しました。

本実証事業は、NECが、経済産業省及び国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実証事業「国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業 インド共和国における携帯電話基地局へのエネルギーマネジメントシステム実証事業」として行ったものです。(注1) 本実証事業を通じ、下記の成果を獲得し、事後評価分科会でも高い評価を得ました。

成果

1. 電力事情の不安定な新興国における課題である、携帯電話基地局の停電時に使用されるディーゼル発電機の燃料消費やCO2の削減に貢献
2. インド国内の商用携帯電話基地局における約2年間の運用経験を通じ、オペレーション上の様々な知見・ノウハウを獲得
3. LiBとAI(予測最適化制御技術)などの高度なデータ処理技術を活用し、エネルギーの効率化・安定化を実現

本実証事業で獲得したノウハウを生かし、今後、40万局以上の携帯電話基地局を持つインド国内における具体的な事業を検討してまいります。

NECは「社会ソリューション事業」に注力しており、ICTを用いた効率的なエネルギーマネジメント技術の確立により、安全・安心、効率に優れたエネルギー社会の実現に貢献していきます。

実証事業の背景

インド国内における携帯基地局業界では水平分業化が進んでおり、携帯電話会社は鉄塔・電源などの設備の確保・維持業務を鉄塔会社にアウトソースしています。これらの鉄塔会社においては、コスト削減および国からのグリーン化の要請により、基地局で停電時の電源として使用されるディーゼル発電機の燃料やCO2排出の削減が、経営面及び大きな社会問題として喫緊の課題となっています。このような状況下、インドと日本の両政府間でのエネルギーに関する議論においてこの課題が取り上げられ、NEDOの実証事業として2013年に公募が行われました。

実証事業の概要

インド国内20箇所の携帯電話基地局において、PVとLiB、またシステム全体の遠隔監視、運転計画および充放電を制御するエネルギーマネジメントシステム(以下、EMS)を組み合わせた総合システムを構築し、過去のデータなどから最適な運転計画を作成し制御しました。また約2年間の実サイトでの運用を通じ、ビジネスとして必要なノウハウの取得を目指しました。(実証事業契約期間:2013年9月~2017年3月)

実証事業の主な成果

- EMS導入時の下記実証結果を確認。(予測最適化制御技術については、インド、インドネシア共和国、アメリカ合衆国で特許出願中)

■項目:1.EMSの技術検証
目標:1. EMS導入によるディーゼル燃料削減、エネルギーコスト削減、CO2削減の効果についてGrid供給時間に応じた削減傾向を確認する。
成果:Grid供給時間の約5~6時間をピークに、Grid供給時間が長くなるほど削減量が低下する傾向を確認。(EMSの導入と運用改善により、各指標とも60%以上の大幅な削減を確認)

目標:2.予測最適化技術による削減効果を確認する。
成果:予測技術(停電・復電タイミング、負荷電力、PV発電電力)と、最適化制御の適用による削減効果を確認。

■項目:2. LiBの安全性検証
目標:LiBを適用したEMSの安全性を確認する。また、商用化に向けてEMS/LiB設計基準や安全規格作成時に活用できるデータを取得する。
成果:LiBの安全性問題の発生はなく、LiB/EMS設計の安全性を確認。(充電容量維持率83.8%以上)

■項目:3.TCO(総所有コスト) 削減効果検証
目標:EMS導入により得られるエネルギーコスト削減効果からTCOを算出し、事業実施可能性の見極めを行う。
成果:実証で得られた削減効果を元にEMS導入によるTCO削減効果を算出した結果、ビジネスモデルとして成り立つ収益が得られる見込みであることを確認。(TCO削減効果算出値:約50億円/年(注2))

■項目:4.CO2削減効果検証
目標:EMS導入により得られるCO2削減効果を元に普及段階での効果を算出する。
成果:実証で得られた削減効果を元にEMS導入によるCO2排出量を算出した結果、年間のCO2排出量は約1/2に低減することを確認。

※NEDO研究評価委員会の事後評価分科会での報告資料
http://www.nedo.go.jp/introducing/iinkai/kenkyuu_bunkakai_29h_j_jigo_t1_1_1.html

今後2018年度内を目途に、40万局以上の携帯電話基地局を持つインド国内におけるビジネスモデルの検証等を進め、その後5年間の事業化により、3万局へのシステム導入と100億円規模の売上を目指します。

NECグループは、安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。

(注1)NEC、インドで携帯電話基地局へのエネルギーマネジメントシステム導入に向けた実証実験を開始
http://jpn.nec.com/press/201408/20140807_01.html
(注2)段階的に導入が進み、4年間で3万基地局へEMSが普及した場合の、5年間における年間平均効果の算出値。

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://jpn.nec.com/press/201710/20171006_01.html

概要:日本電気株式会社(NEC)

詳細は www.nec.co.jp をご覧ください。

本件に関するお客様からのお問い合わせ先
NEC ESS事業部
E-Mail:info_globalsl@sebu.jp.nec.com

Source: NEC Corporation
セクター: メディア, IT

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