2017年10月11日 11時00分

Source: NEC Corporation

NEC: 2017年度「C&C賞」受賞者の決定について
「計算論的神経科学の精神医学分野への応用」および「コンピュータサイエンス理論の構築と著作並びに人材育成」に功績

東京, 2017年10月11日 - (JCN Newswire) - 公益財団法人NEC C&C財団(理事長:矢野薫 NEC特別顧問、所在地:東京都港区)は、本年度の「C&C賞」受賞者2グループ4名を決定しました。

「C&C賞」は1985年に創設された賞で、情報処理技術、通信技術、電子デバイス技術、および、これらの融合する技術分野の開拓または研究、この分野の進歩がもたらす社会科学的研究活動に関し、顕著な貢献のあった方に授与されるものです。「C&C賞」の受賞者には、賞状、賞牌および賞金(各グループ1,000万円)が贈られます。

本年度の受賞者は、人々の豊かな暮らしに必要な社会課題を解決するために、高度な情報技術をもとに革新的なアプローチで脳情報科学の精神医学への応用を図るグループと、コンピュータサイエンス理論に関する研究並びに著作や人材育成に功績があったグループの2つに決定しました。

1つは、脳科学と情報工学を基礎とした多くの先進的な研究開発成果を挙げるとともに、新たに人工知能技術との高度な融合を図ることにより計算論的神経科学の精神医学分野への応用を牽引した功績者の1名です。

もう1つは、情報技術に学問的な基礎を与える理論的計算機科学の中核領域で多数の研究業績を挙げるとともに、共同での著作活動や教育を通じて情報通信社会の発展を支える研究者や起業家等の人材育成に功績があった3名です。

表彰式典は、11月29日(水)午後4時00分からANAインターコンチネンタルホテル東京(東京都港区)において開催します。同式典では、贈呈式に続き、受賞者の記念講演が行われます。

2017年度「C&C賞」受賞者

グループA(1名)
川人 光男 (かわと みつお) 博士

現職:
株式会社 国際電気通信基礎技術研究所 脳情報通信総合研究所 所長、ATRフェロー

業績:
脳科学と人工知能、及び情報工学の高度な融合による先進的研究開発並びにその精神医学への革新的応用に関わる貢献

受賞理由:
脳の構造や機能を解明する神経科学の研究は過去半世紀以上にわたり目覚ましい進歩を遂げてきました。その一方で、脳内での情報表現や、情報処理過程などの理解については、今日でも重要な研究課題となっています。脳内の情報処理様式が解明できれば、脳と同一の原理に基づく人工的な機械やコンピュータプログラムを実現する計算論的神経科学分野の研究進展につながります。そして将来的には、精神医学、脳科学と情報工学の革新的な融合によって、大きな社会課題である高齢者の認知機能の維持と回復や、精神疾患の診断と治療における精密医療・個別化医療の実現などへの発展が期待されます。
川人光男博士は、脳情報処理機構の解明のための脳科学と情報工学の融合研究を推進する中で得られた数多くの知見をもとに、新たに人工知能技術との融合によって、計算論的神経科学の精神医学分野への展開を国内大学と連携したプロジェクト等を通じ図ってきました。そして、脳の回路を分類する機能的磁気共鳴画像(fMRI)診断法と、診断と対になったfMRIニューロフィードバック治療法といった革新的手法も開発してきました。その結果、薬物では治癒しない患者を治療するなど、精神医学を精密医療と個別化医療に変革させる道筋を示すことができました。博士は脳科学、情報工学そして人工知能の融合と発展を牽引する第一人者であり、ブレインマシンインタフェース(BMI)に係る技術を基礎とする情報処理技術をもとに世界が抱える難解な社会課題の解決に挑戦する先駆者として、その業績はC&C賞にふさわしいものと考えます。

グループB(3名)
アルフレッド V. エイホ 教授
現職:コロンビア大学 教授
ジョン E. ホップクロフト 教授
現職:コーネル大学 教授
ジェフリー D. ウルマン 教授
現職:スタンフォード大学 名誉教授

業績
計算機科学分野における基礎理論の構築と、同分野に関わる多数の優れた著作活動を通じた教育面での多大な貢献

受賞理由
近年目覚ましい変化や発展を遂げている人々の生活スタイルや社会環境には、情報技術が大きく影響を与えていることは言うまでもありません。情報技術による影響は社会システムのハードウェア面の進化だけに留まらず、とりわけソフトウェア面での進歩や革新は、C&Cの概念を具現化する便利で快適な社会の実現にとって、大きな役割を果たしてきました。
アルフレッド V. エイホ教授、ジョン E. ホップクロフト教授、そしてジェフリー D. ウルマン教授の3氏は、計算機科学(コンピュータサイエンス)分野における中核技術である、「オートマトン」、「形式言語」、「言語理論」、「コンパイラ」、「データ構造」、「アルゴリズム」、「データベース理論」、「グラフ理論」等に関する先駆的な研究とともに、単独或いは互いの共著によって、これら技術に関する多くの研究論文や著書を発表してきました。特に、3氏による共著である、"The Design and Analysis of Computer Algorithms"(1974年)、"Data Structures and Algorithms"(1983年)などは、それまでの研究成果を専門的見地から集大成したことに加え、教育的な意味でも名著となっています。また、大学における教育的活動を通じた次世代人材の育成は3氏にとって極めて重要な貢献の一つであり、関連する数多くの表彰を授与されています。総括すれば、専門的な学術研究の成果に加え、著書や講義、学生指導といった教育面、出版面や人材の育成においてC&Cの中核でもある上記分野の今日の著しい発展に3氏が果たしてきた役割とその功績には多大なものがあり、C&C賞の受賞者としてふさわしいものと考えます。

各受賞者の業績の詳細と略歴、および当財団の活動と表彰式の概要については、別紙ならびにNEC C&C財団ウェブサイト(http://www.candc.or.jp/)をご参照ください。

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://jpn.nec.com/press/201710/20171011_01.html

概要:日本電気株式会社(NEC)

詳細は www.nec.co.jp をご覧ください。

本件に関するお客様からのお問い合わせ先
公益財団法人NEC C&C財団 橋本
TEL:03-3457-7711
URL:http://www.candc.or.jp/contact.html

Source: NEC Corporation
セクター: IT

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