2018年01月04日 18時00分

Source: Mitsubishi Corporation

三菱商事、2018年 社長年頭挨拶

東京, 2018年01月04日 - (JCN Newswire) - 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。本朝、三菱商事本社(東京・丸の内)にて行われました、当社社長 垣内威彦 による「2018年 年頭挨拶」を下記の通りご報告致します。

【はじめに】
皆様、新年明けましておめでとうございます。皆様の元気な顔を拝見し、気力がみなぎってきました。まずはじめに、昨年達成したことと課題を簡単に振り返りたいと思います。

【2017年の振り返り】
昨年は、三菱商事の事業をリスクの観点から見直し、事業系・市況系の2つに括り直しました。その上で、当面はポートフォリオ・バランスとして7:3が適切であることを確認しました。

また、連結経営の在り方を様々な角度から検討してきました。事業の実態や現場が事業投資先に移行していることを踏まえ、三菱商事と事業投資先との関係を整理し、求心力と遠心力のバランスについて議論を深めてきました。言い換えれば、三菱商事はコーポレートガバナンスの在り方を問われているということであり、具体的な答えを導くべく2018年も検討を継続していきます。

業績については、昨年の第2四半期公表時に連結純利益の目標を5,000億円に修正しました。外部環境も堅調に推移しており、目標達成に何ら不安はありません。これもひとえに皆さんの努力の賜物とあらためて感謝しています。

【今後の経済見通し】
2018年の経済状況についてですが、昨年と同様に好調に推移するとみています。この状況は、今年に限らず中長期に亘り続いていくでしょう。そう考える理由は3つあります。いずれもイノベーションに関連することです。

1つ目は、巨大ITプラットフォーマーの存在です。米国にアップル、グーグル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブックの5社、中国にテンセント、アリババの2社があります。米国5社で約400兆円、中国2社で約100兆円の時価総額となり、7社合計では計500兆円近い規模になります。これらITプラットフォーマーは今後も様々な機能を取り込みながら成長していくでしょう。

2つ目は自動車です。EV化・自動運転化に向かって大きく変化しています。馬から自動車に代わって約100年経過していますが、実に100年ぶりの大変化といえるのではないでしょうか。世界の新車の市場規模は年間200兆円程度ありますが、これに加えEV化・自動運転化により、バッテリー、ボディ、ガラス、タイヤ、内装等、ありとあらゆる業界で自動車に関する製品の革新が起こっています。バッテリーについては、容量の巨大化や高性能化がエネルギー革命を誘発していくことになるでしょう。

3つ目はAIです。これが最も大きなインパクトを齎すと考えています。人工知能が人間の能力を上回る可能性さえ出てきており、すべての産業に多大な影響を及ぼし、ビジネスモデルそのものが変革を迫られることになり得ます。

その意味で、現在置かれている状態は「産業革命の真っただ中」といえます。人類が火や電気を初めて見つけたような、強烈な産業革命期に入っており、あらゆる産業が根本から立ち位置を変えようとしていることに注目すべきです。米国の法人税減税等といった個別の政策はテクニカルな一時的事象であり、もっとファンダメンタルなエネルギーが経済環境を持続的な好転に向かわせていると思うのです。

【外部環境】
日本の政治経済や三菱商事のビジネスに最も影響を与えるものは何でしょうか。それは、中国が世界最強の一国となる可能性が出てきたということです。

米国流の解釈では、民主主義や資本主義という制度は自由と人権を担保することで、個人の能力からイノベーションが生まれるというものでした。従って、共産党一党体制の下では、イノベーションは起こらない、もしくは、どこかでつまずき発展が停滞するだろうと解釈されてきました。

しかし、実際にはそういう方向に向かっていません。政治的には一党独裁体制ですが、社会的にも経済的にもそれなりに自由を認めており、中国の一般市民の生活水準は年々着実に上向いています。むしろ、中国が短期間で米国に肉薄し、世界がこの2強で構成される可能性が極めて高くなっています。

一方、三菱商事にとっても中国の消費の力はとてつもなく大きく、大変影響を受けます。原料炭、アルミ、銅、豚肉などでは軒並み世界の消費の50%以上の割合を占めています。中国が風邪をひくと日本は病気になります。もはや中国の消費無しには世界や日本の需給は成り立たず、その動向に注意しておく必要があります。

今後、中国と米国の狭間で日本はどう対処していくか。特に、三菱商事のビジネスについてどういう展開を考えていくのかをあらためて議論していく必要があります。

仮に中国が世界でますます強大になっていくとすれば、米国・中国間の競争によって発生する様々な軋轢は世界に多大な影響を及ぼします。この点をよく考えた上で、三菱商事の政策決定にあたっていきます。

【成長に向けて】
新年にあたり、チームや部が何のために存在しているのかについて、見解を申し上げておきます。三菱商事の事業を生み出すメカニズムについてです。

今、収益の柱となっている原料炭、LNG、自動車、発電、畜産、水産、リテイル等の事業も、その昔は普通のチームや部から始まりました。それがどうして今日の規模まで育ってきたのでしょうか。

特に若手や中堅の皆さんには、「今あるチームや部に成長の芽はないのか」「成長の芽を伸ばし、収益の柱に成長するような構想力はないのか」と何度でも問い返していきたいと思います。

構想力を考えるにあたっては、3つの目線で考える必要があります。

1つ目は「業界再編」です。三菱商事が買収するということのみならず、競争相手に買収されることも含めて考えてみて下さい。そういう時代に入ったとの理解です。

2つ目は「AI/IoT」といった新しいツールをベースに、自らのビジネスモデルを変えることが出来ないかということです。

3つ目は「プラットフォーム」です。これは、ビジネスを行うに際してのベーシックな土台や収益の要が対面する産業の中にないかということです。

ビジネスの実態が事業投資先に移行している中で、三菱商事の部やチームの活性化無しに、新しい若者を迎えられません。部やチーム単位で、事業の繁栄をもたらす成長の芽を見出してもらいたい。考えに考え抜いても何も出て来ないということであれば、資産を入れ替え、新しい価値観を入れていくことになります。一方、たとえ事業構想が実現出来なくても、チームや部の中でそれを考え抜くことで人材が育っていくのだと思います。

【おわりに】
最後に、「女性の活躍」を熱望します。日本でも多くの女性が企業の経営幹部として活躍されています。三菱商事においても、男性と同様のキャリアパスをきちんと女性に提供し、近い将来に女性幹部を少なくとも男女の構成比に相応しいレベルにまで登用していきたいと考えています。それを目指す女性の方々にはぜひ頑張っていただきたいと思います。

2016年度は三菱商事の世界中の拠点を訪問しました。2017年度は、事業投資先を中心に対話を重ねています。今年については、若手・中堅社員との対話に全力を尽くします。これを楽しみにし、年頭の挨拶とします。

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2018/html/0000033913.html

概要:三菱商事株式会社

詳細は www.mitsubishicorp.com をご参照ください。

Source: Mitsubishi Corporation
セクター: エンジニアリング

Copyright ©2024 JCN Newswire. All rights reserved. A division of Japan Corporate News Network.

関連プレスリリース


三菱商事、米国ルイジアナ州におけるDACプロジェクトへの参画について
2024年04月16日 14時00分
 
三菱商事、e-メタンの国際的アライアンス 「e-NG Coalition」 の設立について
2024年03月19日 12時30分
 
日産自動車と三菱商事、次世代モビリティサービスとEVを活用したエネルギー関連サービスの新規事業を検討する覚書を締結
2024年03月18日 14時00分
 
三菱商事がティアフォーに出資 自動運転で地域交通の課題解決へ
2024年03月15日 11時00分
 
三菱商事、三菱ふそうトラック・バス、三菱自動車の3社 EV総合サービスのオンラインプラットフォームを運営する新会社を共同で設立
2024年03月13日 11時30分
 
三菱商事、カナダ・PAKリチウムプロジェクトへの新規参画について発表
2024年03月05日 13時00分
 
三菱商事、インドTVS Vehicle Mobility Solutionの新規株式取得について
2024年02月19日 12時30分
 
Honda・トクヤマ・三菱商事が、副生水素と車両からのリユースを想定した 定置用燃料電池電源の活用により、データセンターの脱炭素化を図る共同実証を実施
2023年12月25日 13時00分
 
三菱商事、オマーンLNG事業権益延長について
2023年10月24日 14時00分
 
千歳市と三菱商事株式会社とのカーボンニュートラルを目指したまちづくりに関する連携協定の締結について
2023年08月08日 11時00分
 
もっと見る >>

新着プレスリリース


もっと見る >>