2018年06月05日 10時00分

Source: Eisai

エーザイとバイオジェン・インク、Elenbecestatの軽度認知障害および軽度から中等度のアルツハイマー病を対象とした臨床第II相試験の18カ月トップラインにおいて安全性と忍容性を確認
脳内アミロイドベータの統計学的に有意な減少を示す

東京, 2018年06月05日 - (JCN Newswire) - エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)とバイオジェン・インク (Nasdaq: BIIB、本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、CEO:ミシェル・ヴォナッソス、以下 バイオジェン)は、このたび、経口βサイト切断酵素(BACE)阻害剤elenbecestat(開発コードE2609)について、米国で実施した臨床第II相試験(202試験)において、安全性と良好な忍容性を示すとともに、アミロイドPETによる脳内アミロイドベータ(Aβ)レベルの統計学的に有意な減少を示したことをお知らせします。また、臨床症状に対する有効性については、統計学的に有意ではありませんでしたが、臨床症状評価スケールにおいて、臨床的に重要な変化と考えうる数値的な悪化抑制が観察されました。70人の患者様を対象とした本試験は、BACE阻害剤において、脳内Aβの統計学的に有意な減少を示すとともに探索的評価項目である臨床症状悪化の抑制を示唆した初めての試験となります。

202試験(ClinicalTrials.gov identifier NCT02322021)は、アミロイドPETでAβの脳内蓄積が確認されている、アルツハイマー病(AD)に伴う軽度認知障害および軽度から中等度のAD患者様を対象とし、18カ月間投与のプラセボ対照、二重盲検、並行群間比較、無作為化臨床第II相試験です。70名の患者様がelenbecestat(5 mg、15 mg、50 mg/日)、プラセボの合計4投与群に割付られました。Elenbecestat 5 mgおよび15 mg投与群の半数以上の患者様は投与期間中に50 mg投与群に移行した後、3カ月以上投与されました。当初からの50 mg投与群と合わせた全50 mg投与群(38人)における50 mg平均投与期間は約11カ月でした。

Elenbecestatは、投与18カ月時点で、安全性と忍容性の確認において、求められるプロファイルを示しました。Elenbecestat 全50 mg投与群で、頻度が高かった有害事象(上位6つ)は、接触性皮膚炎、上気道感染、頭痛、下痢、転倒、皮膚炎でした。なお、本試験において、肝毒性に繋がる副作用の報告はありませんでした。

また、本試験では、安全性に加え、探索目的として、投与18カ月時点におけるアミロイドPETによる脳内Aβの蓄積、および臨床症状に関する有効性を検討しました。

アミロイドPETによる脳内Aβレベルについては、elenbecestat 全50 mg投与群は、プラセボ投与群に比較して統計学的に有意な減少を示しました(経時的アミロイドPETによる評価対象者:35人)。これは、ADに伴う軽度認知障害から中等度アルツハイマー病の患者様を対象とした臨床試験において、BACE阻害剤による脳内Aβの減少に対する有意な効果を確認した初めての結果となります。

臨床症状に対する有効性については、探索的評価項目であるCDR-SB(Clinical Dementia Rating Sum of Boxes)を用いました。CDR-SBにおいて、elenbecestat 全50 mg投与群は、プラセボ投与群と比較して、統計学的に有意ではありませんでしたが、臨床的に重要な変化と考えうる数値的な悪化の抑制を示しました(評価対象者:41人)。さらに、エーザイが新規に開発した評価指標であるADCOMS(Alzheimer’s Disease Composite Score)を用いた事後解析においても、elenbecestat全50 mg投与群は、プラセボ投与群と比較してCDR-SBで観察されたものと同レベルの悪化の抑制傾向を示しました。なお、本試験における臨床症状の評価に関しては、プラセボに対する統計学的有意差を検討するための検出力はありませんでした。

本試験の詳細な結果については今後、学会等で発表する予定です。

Elenbecestatはエーザイが創製し、2014年3月からエーザイとバイオジェンが共同開発を進めています。両社は、現在、早期アルツハイマー病を対象とした2つのグローバル臨床第III相試験(MISSION AD1/2)を実施中です。

エーザイ ニューロロジービジネスグループ チーフクリニカルオフィサー兼チーフメディカルオフィサーであるDr. リン・クレイマーは、「202試験において、elenbecestatが脳内アミロイドベータの減少を確認し、臨床症状について悪化の抑制を示唆する結果を得たことを心強く思います。エーザイとバイオジェンは、連携して進行中のフェーズIII試験プログラム(MISSION AD)を着実に進め、アルツハイマー病の患者様に一日でも早く貢献できるよう全力を尽くします」と述べています。

バイオジェンのエグゼクティブ・ヴァイスプレジデント チーフメディカルオフィサーのDr. アルフレッド・サンドロックは、「バイオジェンは、本試験におけるelenbecestatの安全性と忍容性の結果に勇気づけられています。私たちは当事者、ご家族、友人、そして社会に大きなインパクトを与え、アンメット・メディカル・ニーズの高いアルツハイマー病の研究に引き続き取り組んでいきます」と述べています。

本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.eisai.co.jp/news/2018/news201844.html

概要:エーザイ株式会社

詳細は www.eisai.co.jp をご覧ください。

Source: Eisai
セクター: バイオテック

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