2018年08月28日 10時00分

Source: Eisai

エーザイ、肥満症治療剤「BELVIQ(R)」長期心血管疾患アウトカム試験結果について欧州心臓病学会において発表するとともにthe New England Journal of Medicineに掲載

東京, 2018年08月28日 - (JCN Newswire) - エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、肥満症治療剤lorcaserin hydrochloride(一般名、米国製品名「BELVIQ(R)」、以下 「BELVIQ」)に関する、市販後臨床試験として実施した心血管疾患アウトカム試験(CAMELLIA-TIMI 61試験)の結果について、ドイツ・ミュンヘンで開催されている欧州心臓病学会総会(ECS Congress 2018)において口頭発表するとともに、世界的に最も権威のある医学雑誌の一つである the New England Journal of Medicineに掲載されたことをお知らせします。「BELVIQ」は、長期の心疾患アウトカム試験において、心血管イベントのリスクを増加させないことが確認された初めての体重管理を目的とする治療薬となります。

本試験は、TIMI (Thrombolysis in Myocardial Infarction) Study Groupとの提携のもと、米国を含む8カ国、400施設以上で実施された、肥満症治療に関する最大規模の心血管疾患アウトカム試験です。また、本試験は、米国食品医薬品局(FDA)の要求に基づく市販後臨床試験として実施されました。本試験では、過体重および肥満の成人患者様で、心血管疾患をすでに有している、もしくは心血管疾患のリスク因子を伴う2型糖尿病を有する方、合計12,000人を対象に、「BELVIQ」10mg錠またはプラセボ錠を1日2回長期(中央値3.3年間)投与し、主要な安全性評価として、主要心血管イベント(MACE: Major Adverse Cardiovascular Events、心血管死、心筋梗塞、脳卒中)の発生頻度を評価しました。

本試験に登録された患者様の平均年齢は64歳、平均Body Mass Index(BMI)は、35 kg/m2でした。また、ベースライン(投与前時点)において、患者様の57%は2型糖尿病、90%は高血圧、94%は脂質異常、20%は慢性腎臓病、約75%がアテローム動脈硬化性心血管疾患でした。

本試験終了時のMACEの発生数は「BELVIQ」投与群で364人/6,000人(発生率として2.0%/年)、プラセボ投与群で369人/6,000人(発生率として2.1%/年)であり、「BELVIQ」投与群は、プラセボ投与群と比較してMACEの発生頻度を増加させず(ハザード比 0.99、95%信頼区間:CI = 0.85-1.14,非劣性マージン:1.4)、主要な安全性評価の目的である統計学的非劣性を達成しました。主要な安全性評価目的を達成したことを受け、主要な有効性評価として、MACEに「入院を要する不安定狭心症もしくは心不全、または冠血行再建術」項目を加えたMACE+について評価しました。その結果MACE+の発生数は「BELVIQ」投与群で707人/6,000人(発生率として4.1%/年)、プラセボ投与群で727人/6,000人(発生率として4.2%/年)であり、統計学的優越性は示されませんでしたが(p = 0.55)、統計学的非劣性が確認されました(ハザード比 0.97、95%CI = 0.87-1.07,非劣性マージン:1.4)。

また、探索的評価項目である有効性について、1年間投与による5%以上の体重減少は「BELVIQ」投与群では39%、プラセボ投与群では17%、10%以上の体重減少は、「BELVIQ」投与群では15%、プラセボ投与群では5%であり、それぞれ「BELVIQ」投与群がプラセボ投与群に比較して有意な体重減少を示しました(5%以上の体重減少: 名目p<0.001、10%以上の体重減少: 名目p<0.001)。

ベースラインからの体重変化は、「BELVIQ」投与群では平均4.2kgの減少、プラセボ投与群で平均1.4kgの減少となり、「BELVIQ」投与群ではプラセボ投与群と比較して平均2.8kgの実質的体重減少をもたらしました(名目p<0.001)。

さらに、併存疾患に対する標準治療に加え、「BELVIQ」投与(1年間)を行うことで、それぞれの併存疾患指標について、収縮期血圧(プラセボとの差: -0.9mmHg)、拡張期血圧(同: -0.8mmHg)、心拍数(同: -1.0拍/分)、低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール(同: -1.2mg/dL)、中性脂肪(同: -11.7mg/dL)および非高比重リポ蛋白(非HDL)コレステロール(同: -2.6mg/dL)と改善が見られました。

また、2型糖尿病患者ではヘモグロビンA1C(HBA1c)が減少し(ベースラインからのプラセボとの差: -0.3%)、糖尿病発症前段階からの糖尿病新規発病の割合が低下しました(発病率: 「BELVIQ」投与群:3.1%/年、プラセボ投与群:3.8%/年)。

「BELVIQ」投与群とプラセボ投与群の間で重篤な有害事象の発生率に有意な差は見られませんでした(「BELVIQ」投与群31%、プラセボ投与群32%)。本試験における「BELVIQ」の全体的な安全性プロファイルは、承認されている米国の添付文書の内容と一貫性があり、最も多く報告された有害事象はめまい、疲労、頭痛、悪心、下痢でした。また、試験中止に至る有害事象は「BELVIQ」投与群でより多く発現し(「BELVIQ」投与群7.2%、プラセボ投与群3.7%)、めまい、疲労、頭痛、下痢、悪心が最も多く報告されました。

本試験のさらなる解析結果についてはドイツ、ベルリンで開催される欧州糖尿病学会(European Association for Study of Diabetes)年次総会において10月4日(現地時間)に発表予定です。

当社は、本試験で得られた「BELVIQ」の情報を通じて、引き続き、アンメット・メディカル・ニーズの充足と、患者様とそのご家族のベネフィット向上に貢献してまいります。

本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.eisai.co.jp/news/2018/news201872.html

概要:エーザイ株式会社

詳細は www.eisai.co.jp をご覧ください。

Source: Eisai
セクター: バイオテック

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