2018年12月12日 09時00分

Source: NEC Corporation

NEC、社会インフラの安定運用を支援するAI技術を開発

東京, 2018年12月12日 - (JCN Newswire) - NECは、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下 産総研)と共同で、プラント等の重要な社会インフラの安定運用を支援するAI技術「論理思考AI」を開発しました。運用対象の異常時に、最適なリカバリープランを自動で提示、その根拠も合わせて提示するため、経験の浅い運用者でも、手順の妥当性の判断が可能となり早期復旧を支援します。

本技術は、論理推論技術(注1)と、機械学習の一つであるシミュレーションを活用した強化学習技術(注2)を融合した技術です。はじめに、論理推論技術により、対象となるシステムのマニュアルや設計情報などの情報を繋ぎ合わせ、復旧に向けたリカバリープランを自動生成し、確度の高いものに絞り込みます。次に、絞り込んだリカバリープランに沿ってシミュレーション環境で試行錯誤しながら、最適な手順を学習します。このように膨大なトラブルケースにおける有望なリカバリープランを絞り込んだ上で学習することで、学習期間を年単位から数日に短縮することができました。

NECと産総研は、2016年6月にNEC-産総研 人工知能連携研究室を設立(注3)しており、今回の技術は、その成果の1つです。

NECは2020年度までの3カ年の中期経営計画「2020中期経営計画」においてセーフティ事業をグローバルでの成長エンジンに位置づけています。本技術は、「NEC Safer Cities」実現に向けたソリューションやサービスの開発を加速・強化するものであり、安全・安心な街づくりに貢献していきます。

背景

社会インフラの運用においては、その複雑さや社会的影響の大きさから、経験豊富な熟練運用者に依存しています。しかし、近年の人材不足や熟練者の育成の観点からAIによる運用支援が求められています。

このようなニーズを背景に、近年、適切なリカバリープランの立案のために、シミュレーションを活用して試行錯誤を繰り返すことで手順を学習する強化学習技術の研究が進んでいます。しかしながら、プラント設備のような大規模・複雑なインフラでは、膨大な試行錯誤が必要となり、実用的な時間で学習を終えることが困難となっていました。

今回開発した技術は、上記課題を解決し、AIによる社会インフラの運用支援を実現する成果です。

新技術の特長

1. マニュアルなどの情報を活用した適切な運用手順の自動作成
プラントなどの社会インフラにおいて、マニュアルや運転規約などに記載されたリカバリープランや前提条件、設計情報などで定義されたシステムの挙動などから論理推論を用いて、正しいと思われるリカバリープランを絞り込みます。

これにより、シミュレーションで試行錯誤すべき手順の対象が大幅に絞り込めるため、手順のバリエーションが膨大な大規模・複雑なインフラに対しても、数日間で学習が可能となります。

2. 目的達成のための適切な手順を、人の知識との対応づけをしながら学習
従来の機械学習技術では、リカバリープランのみ提示するため、人がその根拠を理解できず、実行適否の意思決定が困難でした。これは、マニュアル等の情報で記載されている"言葉"という値と、AIが提示するリカバリープランに含まれる操作量のような"連続した数値"という値といった性質の異なる値の紐づけが、従来の手法ではできなかったためです。今回、マニュアル等に記載された条件から大きく外れない範囲で最適なリカバリープランを探索するように制約をかけながら学習することで、上述の性質の異なる2つの値の紐づけを実現しました。これにより、リカバリープランと、マニュアル等に記載された情報をセットで提示できるため、リカバリープランの根拠を人が理解できるようになりました。

なお、今回の成果は、人工知能分野の国際会議「International Joint Conference on Artificial Intelligence」(IJCAI2018、期間:2018年7月13日~19日、場所:スウェーデン・ストックホルム)において発表しました。 URL:http://www.ijcai-18.org/

NECグループは、安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進のICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。

本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://jpn.nec.com/press/201812/20181212_02.html

概要:日本電気株式会社(NEC)

詳細は www.nec.co.jp をご覧ください。

Source: NEC Corporation
セクター: IT

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