2023年07月20日 13時00分

Source: Eisai

エーザイ、「レカネマブ」について、アルツハイマー病の病理に対する効果、および皮下投与に関する最新の解析結果をアルツハイマー病協会国際会議2023(AAIC2023)において発表
- 臨床第III相試験の詳細な解析により、AD の病理学的特徴であるAβとタウの双方に対するレカネマブの有効性を示す
- 新規データによる PK/PD モデルにおいて、皮下投与製剤は有効性と安全性に関して、新たな投与経路の選択肢となる可能性が示唆

東京, 2023年07月20日 - (JCN Newswire) - エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)とバイオジェン・インク(Nasdaq: BIIB、本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、CEO:Christopher A. Viehbacher、以下 バイオジェン)は、このたび、アルツハイマー病(AD)治療剤レカネマブ(一般名、米国ブランド名:「LEQEMBI®」)について、臨床第Ⅲ相Clarity AD試験におけるレカネマブ投与によるアミロイドベータ(Aβ)の減少とパスウェイにおける下流のバイオマーカー変化の解析結果、ならびに現在開発中の皮下投与製剤に関する最新知見をアルツハイマー病協会国際会議(Alzheimer's Association International Conference:AAIC)2023において、発表したことをお知らせします。なお、レカネマブは米国において2023年7月6日にフル承認を取得しました。

Clarity AD試験は、早期AD当事者様1,795人(レカネマブ投与群:10 mg/kg bi-weekly投与:898人、プラセボ投与群:897人)を対象とした、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較、無作為化グローバル臨床第Ⅲ相検証試験であり、主要評価項目(Clinical Dementia Rating Sum of Boxes:CDR-SBの18カ月時点におけるベースラインからの変化)ならびに全ての重要な副次評価項目を統計学的に有意な結果をもって達成しました。Clarity AD試験の結果は、2022年11月に第15回アルツハイマー病臨床試験会議(CTAD)にて発表し、同時に査読学術専門誌the New England Journal of Medicineにも掲載されました。

レカネマブ:アミロイドの減少と下流のバイオマーカー変化

Clarity AD試験では、重要な副次評価項目であるアミロイドポジトロン断層法(PET)測定による脳内アミロイド蓄積に対するレカネマブの効果以外にも、ADの病態生理に関わるアミロイド、タウ、神経変性、アストロサイト活性化、シナプス機能不全へのレカネマブの効果について、それぞれの変化を示すバイオマーカー(A/T/N+バイオマーカー)を用いて測定しました。測定したバイオマーカーは、アミロイドでは脳脊髄液(CSF)中のAβ1-42と血漿中のAβ42/40比、タウではCSFおよび血漿中p-Tau 181、神経変性ではCSF中の総タウとCSF中および血漿中のニューロフィラメント軽鎖、アストロサイト活性化では血漿中のGFAP(glial fibrillary acidic protein)、およびシナプス機能不全ではCSF中のニューログラニンです。

その結果、レカネマブ投与群では、プラセボ投与群と比較して、血漿中Aβ42/40比の増加(ベースラインからの調整済平均変化量、レカネマブ:0.008、プラセボ:0.001、p<0.0001)のほか、血漿中p-Tau181の減少(ベースラインからの調整済平均変化量、レカネマブ:-0.575 pg/mL、プラセボ:0.201 pg/mL、p<0.0001)が観察されるなど、測定したA/T/N+バイオ マーカーについて、レカネマブ投与による改善が確認されました。これらの結果から、レカネマブがAD病態生理に関与するA/T/N+バイオマーカーに影響を与え、疾患進行を遅らせる生物学的効果を発揮することが示唆されました。

また、今回、Clarity AD試験のタウPETを用いた脳内タウ病理について、ベースライン時の特性と初期解析の結果が発表され、レカネマブ投与により、側頭葉へのタウ病理の蓄積が遅くなることが示されました。さらに、タウPETによるタウの蓄積が確認されたサブグループを対象としたレカネマブの臨床効果の解析において、本集団全体で臨床効果を示すことが確認され、また、ADの初期段階を示す脳内タウの蓄積量が軽度な集団*では、顕著な臨床効果が認められました。

早期ADにおいて、静脈内投与と同等の有効性と良好な安全性が予測されるレカネマブの皮下投与

レカネマブの静脈内投与と皮下投与を比較した試験において、レカネマブの皮下投与による生物学的利用能(バイオアベイラビリティ)は、静脈内投与と比較して約50%であることが示されました。さらにPK/PDモデルを用いた解析で、720㎎ weekly固定用量皮下投与は、10㎎/kg bi-weekly静脈内投与と同等の暴露量(AUC)を示し、アミロイドPET SUVr(standardized uptake value ratio)によって測定される脳内アミロイド蓄積も同程度に減少させる可能性が示されました。一方、静脈内投与のデータを用いた解析では、浮腫/浸出を伴うアミロイド関連画像異常(ARIA-E)はレカネマブの血中濃度と関連しており、最大血中濃度はARIA-Eに対する最も予測性の高い因子であることが示されました。皮下投与は、静脈内投与と比較して最高血中濃度が低くなるため、ARIA-Eの発現率が低くなる可能性が予測されます。

本リリースに関するAAICにおける発表資料は、エーザイのコーポレートウェブサイトの投資家セクションPDFファイルを開くに7月21日午前8時30分に掲載予定です。

レカネマブについて、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行います。

本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.eisai.co.jp/news/2023/news202352.html

概要:エーザイ株式会社

詳細は www.eisai.co.jp をご覧ください。

Source: Eisai
セクター: バイオテック

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