2015年07月27日 14時00分

Source: Fujitsu Ltd

富士通研究所など、部屋全体をまるごとデジタル化するUI技術を開発しICTによる共創支援の実証実験を開始

東京, 2015年07月27日 - (JCN Newswire) - 株式会社富士通研究所(注1)(以下、富士通研究所) 、富士通デザイン株式会社(注2)(以下、富士通デザイン)、株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(注3)(以下、富士通SSL)は、富士通デザインが開設している新たな価値づくりなどに取り組む場「HAB-YU platform(注4)」にて8月より、富士通研究所が開発した部屋全体をデジタル化するUI技術と富士通SSLが開発した共創支援アプリケーションの実証実験を開始します。

開発した空間をデジタル化するUI技術を用いると、人々をPCやスマート端末などの狭い画面から解放し、壁や机などの広い共有の空間での仮想的なウィンドウシステムを実現でき、簡単な操作で情報の表示や共有を可能とします。例えば、ワークショップに参加した人のスマート端末と会場にある表示機器が連携しスマート端末の画面を壁や机に大きく映すことができます。ウィンドウシステム上の操作は逐次スマート端末に伝えられ、スマート端末間の情報交換が直感的な操作で簡単に実現できます。

開発したUI技術を実装した共創支援アプリケーションを用いれば、持ち込んだ資料を空間に大きく展開して共有し、ブレストなどでのアイデア創出の際に簡単に情報が整理できます。

これらの技術やアプリケーションを「HAB-YU platform」で開催されるワークショップに導入し、発想支援の有効性を検証する実証実験を行います。富士通研究所、富士通デザイン、富士通SSLは本実証実験を通して、知の創造をICTが支援するワークスタイル変革に向けた取り組みを推進します。

開発の背景

近年、スマート端末の普及やクラウド技術・通信技術の進展により、オフィスの自席で作成した資料を会議の場に持ち込み、プロジェクターなどで大きく映したり、大画面端末のタッチパネル操作で編集したりすることが簡単にできるようになっています。

課題

しかし、大型のタブレットPCや電子白板など大画面のユーザーインターフェースを活用するシーンでは、1つ1つが独立して機能するため、部屋全体を大きく使って複数の画面を一体化して表示するなど機器の連携が容易ではありませんでした。そのため、複数ユーザーが大画面を一緒に使って情報を共有、交換しながら行うアイデア発想のワークショップのような共創のシーンへの適用に課題がありました。

実証実験の概要

1.目的
この課題を解決するために、場に設置された表示機器と持ち込んだスマート端末を動的に連携する技術を開発し、その技術を使って、アイデア発想のワークショップに参加した複数のメンバーが、様々な人のアイデアを共有することで効率よく活発な議論が行えることを検証します。

2.期間と場所
期間:2015年8月~2016年3月(予定)
場所:HAB-YU platform(東京都港区六本木 アークヒルズサウスタワー3階)

3.実証概要
下記のポイントで、すべてがデジタル化された環境でアイデア発想のワークショップを行い、発想支援の有効性を検証。
- デジタルヒントカードの配布と個人スペースへの展開
- 個人ワーク支援(デジタル付箋作成と共有スペースへの転送)
- グループワーク支援(デジタル付箋の整理と共有)
- ワークショップでの検討結果の持ち帰り
- ワークショップでの検討結果の保存と再開

開発した技術

空間をデジタル化するUI技術は、持ち込んだスマート端末とその場に設置された表示機器が自動的に連携してUIをその場全体に拡張させる技術です。プロジェクターとカメラを組み合わせた装置を複数設置して壁や机などの広い空間を一つのウィンドウシステムとして機能させることができます。これにより、複数の人の端末の画面を同じ空間に展開することができるようになります。

開発した技術の特長は以下のとおりです。
1.複数のプロジェクターを連結して利用でき、スマート端末とも容易に連携できる技術
簡単なレイアウト情報をプレイスサービス基盤のサーバに設定するだけで、その場にある複数の表示機器を連携させ、大きな画面として利用できます。連続した空間として利用できるだけでなく、持ち込んだスマート端末の画面を簡単に表示して操作することができます。また壁や机など空間へのポインティング情報を各デバイスへの入力情報に変換する技術も開発しました。

2.ユーザーが持っているスマート端末の位置を認識しIDを特定するセンシング技術
カメラなどで構成された環境センサーとスマート端末内のセンサーの連携により、ユーザーの位置と持っているスマート端末のIDを同時に検出できるセンシング技術を開発しました。位置を正確に検出できるが端末IDは認識できない環境センサーと、位置はわからないが端末IDは取得できる端末内の慣性センサーの情報を歩く、止まるなどの人の行動を用いて紐付けることで、位置とIDのセンシングを実現しました。これにより、個人とスマート端末を紐付けることができるため、特定のスマート端末の画像を共有・表示することなどが可能になります。

3.大画面と人の動きが連動した直感的なUI技術
2.の技術をベースに人の動きに連動する直感的なUI技術を開発しました。この技術により、決められた簡単なジェスチャで、目の前の壁に自分の使用するスマート端末の画面を転送したり、アプリケーションを呼び出したりできます。また、壁に投影された画面上に手書きでメモする操作、手書き文字を選択して文字認識する操作、認識結果の文字を付箋サイズで表示する操作など、大画面でのアイデア創出を補助する手書き文字をベースとしたUIを開発しました。

効果

開発した技術を用いれば、電子白板などの単機能に閉じず、広い空間での人の動きに合わせた自然なUIを様々なアプリケーションに提供し、複数ユーザー間で情報を容易に共有、交換しながら共創を加速させることができます。ワークショップなどの共創の場での適用のみならず、ショールーム、ホテルのエントランスなどの空間デザインなど様々なシーンでの活用が可能です。

また、この技術は先に発表したプレイスサービス基盤(注5)のフロント部のUIおよびAPIに関するもので、プレイスサービス基盤と合わせてオフィス、教育、医療など様々な分野において場のサービスを簡単に構築できます。

今後

富士通研究所は今後、「HAB-YU platform」での実証実験において抽出した課題から技術開発をさらに進め、富士通SSLと共同で富士通SSLがすでに販売している共創支援&学習支援ツール「WebコアInnovation Suite(注6)(ウェブコア・イノベーションスイート)」への適用を進めていきます。

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2015/07/27.html

注釈
注1 株式会社富士通研究所:
本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 佐相秀幸。
注2 富士通デザイン株式会社:
本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 上田義弘。
注3 株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ:
本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 川口浩幸。
注4 HAB-YU platform:
富士通デザインが運営する、デザイナーを中心とした共創による新たな価値づくりや様々な課題発見・解決に取り組む場の総称。「HAB-YU」ウェブサイト。 http://hab-yu.tokyo/
注5 プレイスサービス基盤:
ローカルな場での端末・機器間の情報交換サービスを迅速に構築できる基盤技術を開発(2014年4月15日 富士通研究所プレスリリース) http://pr.fujitsu.com/jp/news/2014/04/15.html
注6 Webコア Innovation Suite:
富士通SSLが開発した、共創支援&学習支援ツール群。
Webコア Innovation Suite http://www.ssl.fujitsu.com/products/wcis/

概要:富士通株式会社

詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。

Source: Fujitsu Ltd
セクター: エレクトロニクス, IT, IT・インターネット

Copyright ©2024 JCN Newswire. All rights reserved. A division of Japan Corporate News Network.


Latest Release

More Latest Release >>