2017年05月19日 10時40分

Source: NEC Corporation

東大とNECなど、宇宙線による可視化技術「ミュオグラフィ」を用いて構造物内部を透視画像化するシステムを共同開発


東京, 2017年05月19日 - (JCN Newswire) - 国立大学法人東京大学地震研究所(注1、以下 東京大学)、ハンガリー科学アカデミー・ウィグナー物理学研究センター(注2、以下 ハンガリー科学アカデミー)と日本電気株式会社(注3、以下 NEC)は、「ミュオグラフィ」(注4)測定システムの共同開発を本日より開始します。

「ミュオグラフィ」は、透過性の強い宇宙線「ミューオン」(注5)を用いた、火山などの巨大物体内部を透視する可視化技術です。

本システムは、火山などの自然構造体や、道路・鉄道・橋梁など大型建造物における地中埋没部分の監視などに活用できます。

今後3者は、「ミュオグラフィ」を利用した新しい市場の開拓に向けて、日本とハンガリーにおいて、産学連携での社会実装への取り組みを推進します。

安全・安心な生活や社会インフラを維持するには、火山などの自然災害につながる自然構造体の活動状況を把握するための警戒監視や、人的調査が困難な大型建造物の劣化監視・内部調査などが重要です。

宇宙線「ミューオン」を用いて構造物を透視画像化する技術「ミュオグラフィ」はこれまでも火山やピラミッドの内部調査や鉱床探査などに活用されてきましたが、雑音などの環境要因や機器サイズ、コスト面で非破壊検査(注6)でのセンサーとして用いることが困難でした。しかし近年、機器の小型化や高精度化などの技術革新とその技術検証ノウハウの蓄積により、実用化が進められています。

今回、東京大学、ハンガリー科学アカデミー、NECは共同で、従来は観測が困難だった埋設物や山体内部などの構造体を見える化し、収集した構造物データを今後、NEC独自の画像処理技術を含む最先端AI技術「NEC the WISE」(注7)や既存のシステムと連携させて、危険事象の予測・事前対処など、さらなる技術開発の推進に向けて取り組んでいきます。

共同開発の概要

1.「ミュオグラフィ」技術を用いた測定システムの構築 (東京大学)
効率よくミューオンのみの到来位置、方向情報を記録・収集するミュオグラフィ装置を構築します。本装置は放射線シールド、ミューオン検出器、筐体等から構成される複合体です。

2.宇宙線「ミューオン」の検出器の提供 (ハンガリー科学アカデミー)
透視画像の解像度を左右するミューオン検出器を開発、提供します。従来使用していたミューオン検出器は振動や温度変化に弱く、野外において高い解像度で測定を行うには不向きでした。今回それらの課題をハンガリー科学アカデミーのMWPC技術(注8)で解決し、高精度化を実現しました。

3.本技術の社会実装に向けたNECのAI技術との連携検討および社会インフラ状態センシングシステムの検討実施 (NEC)
「ミュオグラフィ」技術で取得される構造物情報のデータ取得、解析およびNECのAI技術を取り入れた社会インフラ状態センシングシステムの検討を行います。

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://jpn.nec.com/press/201705/20170519_02.html

(注1)所在地:東京都文京区、総長:五神 真、所長:小原 一成
(注2)所在地:ハンガリー ブダペスト、センター長:ピーター・レバイ(Peter Levai)
(注3)本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長 兼CEO:新野 隆
(注4)ミュオグラフィ技術:ミューオンの性質を利用して、粒子の飛来した方向と数を検出することで、レントゲン写真のように巨大物体内部の密度分布を調べることを可能とする技術。2006年に世界で初めて、東京大学地震研究所高エネルギー素粒子地球物理学研究センターの田中 宏幸教授らが火山のミュオグラフィに成功
(注5)宇宙線「ミューオン」:宇宙線というのは、宇宙から地球に絶えず高速で降り注いでいる原子核や素粒子のこと。宇宙線は地球に到達して大気中に飛び込み、空気中の酸素や窒素の原子核と核反応を起こすことにより、大量のミュー粒子(ミューオン)を発生させる。このミュー粒子は高い透過力を持つが、高密度の物質を透過する際は少数の粒子しか通り抜けることができない特徴を持つ
(注6)非破壊検査:機械部品や構造物の有害なキズを、対象を破壊することなく超音波、電磁場、赤外線、放射線を使って検出する検査。配管内部の腐食などの検査も本検査に含まれる
(注7)「NEC the WISE」(エヌイーシー ザ ワイズ)は、NECの最先端AI技術群の名称です。"The WISE"には「賢者たち」という意味があり、複雑化・高度化する社会課題に対し、人とAIが協調しながら高度な叡智で解決していくという想いを込めています。
- プレスリリース「NEC、AI(人工知能)技術ブランド「NEC the WISE」を策定」
http://jpn.nec.com/press/201607/20160719_01.html
- NECのAI技術
http://jpn.nec.com/bigdata/ai/
(注8)MWPC(Multi Wire Proportional Chamber)技術:素粒子物理学や原子核物理学で使用される、ビーム同士やビームとターゲットの衝突により生成された粒子の軌跡を検出する軌跡検出技術の一つ。

概要:日本電気株式会社(NEC)

詳細は www.nec.co.jp をご覧ください。

本件に関するお問い合わせ先
NEC(お客様からのお問い合わせ) TCI事業部
E-Mail: con[email protected]

Source: NEC Corporation
セクター: メディア, ITエンタープライズ

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