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プレスリリース
2022年08月08日 10時00分
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Hitachi, Ltd.
日立、鉄道事業者向けに「移動制約者ご案内業務支援サービス」を提供開始
車いすや白杖などの利用者の列車乗降を支援する「JR九州あんしんサポートネット」で先行して運用開始
東京, 2022年08月08日 - (JCN Newswire) - 株式会社日立製作所(以下、日立)は、駅係員による車いすや白杖などの利用者を対象とした、列車乗降サポート業務をトータルに支援する「移動制約者ご案内業務支援サービス」をクラウドサービス(以下、本サービス)として本日より提供開始します。
本サービスは、電話や口頭伝達を主とする列車乗降サポート業務のプロセスを電子化し、利用受付から駅係員間の連絡・引継ぎ、乗降サポートの実績管理といった一連の業務をスマートデバイス上で完結できるシステムを提供するものです。従来紙の連絡票への記入・管理で行われていたアナログ作業を最小化し、スマートデバイスで情報をリアルタイムに共有することで、「ヒューマンエラー発生の低減」と「駅係員の対応効率化、負担軽減」を実現します。
本サービスの前身となるシステムは、西武鉄道株式会社(以下、西武鉄道)との協創により、日立の価値協創手法「Exアプローチ*1」を適用し、利用者のさらなる安全安心の実現とサービス品質の向上に向け、開発されました。今回、システムのSaaS*2化を行い、初期導入の負荷を軽減し迅速な立ち上げと、鉄道事業者のTCO*3改善に寄与します。
なお、本サービスは、2022年6月より九州旅客鉄道株式会社(以下、JR九州)の「JR九州あんしんサポートネット」のシステム基盤として先行してお客さまに提供開始されています。
サービス開発の課題と背景
従来、車いすや白杖などの利用者が列車を乗降される際、乗降駅係員の習熟した連携作業によって安全・利便性が保たれてきました。一連の案内業務は、乗車駅より電話連絡を受け、降車駅の係員が詳細を紙の連絡票に記録し、記録内容を参照しながらホームにて当該の利用者をお迎えする流れとなるため、連絡不備の防止や限られた人員でのサービス品質の向上など、公共交通機関の利用者のさらなる安全安心な環境整備と係員の業務負荷軽減が課題となっています。
こうした課題を受け、2017年に日立は、西武鉄道と共同で「車いすご利用のお客さまご案内業務支援システム」を開発しました。デジタルソリューションを加速するLumadaのユースケースとして、使い勝手の検証やシステムの強化を行い、2020年には小田急電鉄株式会社にて「お客さま介助システム」として導入されるなど、実績を重ねてきました。今回、SaaS化したことでさらに初期導入負荷を軽減し、今後、幅広く鉄道事業者への提供を開始します。
「移動制約者ご案内業務支援サービス」の機能と特徴
経路(列車番号)や乗車位置、車いすの場合はその種類(手動・電動)などの乗車情報を乗車駅側がスマートデバイスに入力することで降車駅側にプッシュ通知で連絡が入り、従来は電話による口頭伝達に頼っていた一連の連絡業務がスマートデバイス上で完結し、スムーズに乗降駅間の連携が可能となります。
1. 現場目線のユーザインタフェースによる案内業務効率向上
本サービスの前身となる西武鉄道との協創において、日立の価値協創手法である「Exアプローチ」を適用して、デザイン思考に基づく多様な視点で現場の課題や想いを引き出し、解決策の検討を重ね、現場の駅係員が使いやすいユーザインタフェースを実現しています。
具体的には、対応状況に応じた背景色の変更、新しい対応案件が入った際や到着時のアラーム鳴動など、きめ細やかなユーザインタフェースや機能を提供し、連絡不備の解消や駅係員の負担の軽減に貢献します。また、急激なシステム化により駅係員の業務習熟に支障がないように、従来の列車乗降サポートの業務フローに沿った機能を提供するなど、現場目線での使いやすさを実現しました。これにより、連絡不備のリスクが少なくなること、また乗降車に要する時間も短縮されることで、鉄道利用者のより安全安心な移動の実現に貢献します。
なお、西武鉄道との協創による「車いすご利用のお客さまご案内業務支援システム」は、2017年度のグッドデザイン賞を受賞しています。特に、ICT技術とスマートデバイスの連携により、駅係員の精神的な負担軽減と効率化を実現したこと、並びにユーザインタフェース設計の的確さなどが評価されました。
2. 導入・ランニングコストの削減
多くの鉄道事業者の導入・利用の促進に向けシステムをSaaS化し、クラウド環境での提供による初期導入コストや保守コストの削減、TCO改善に寄与します。
3. 案内業務履歴の一元管理
一連の連絡業務がデジタル化されたことにより、従来、把握が難しかった乗降駅双方の案内業務履歴を一元的に管理できるため、社内全体でノウハウとして共有し、案内業務の一層のサービス向上に寄与します。履歴データは、列車乗降サポート業務を必要とする乗客の利用状況の分析や利用実態の調査報告などに幅広く活用できるため、さらなる公共交通機関の安全安心な環境整備に貢献します。
今後の展望
今後は、鉄道事業者のほか、バスや空港、公共施設などにおいて、本サービスを応用した新しい案内サービスの提供を図るなど、公共交通機関を利用するお客さまの安全安心な移動の実現に向け、取り組みを進めていきます。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2022/08/0808.html
日立製作所について
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。金融・官公庁・自治体・通信向けITサービスやお客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルでつなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステム」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2021年度(2022年3月期)の連結売上収益は10兆2,646億円、2022年3月末時点で連結子会社は853社、全世界で約37万人の従業員を擁しています。
https://www.hitachi.co.jp/
Source: Hitachi, Ltd.
セクター: IT
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