2022年11月17日 14時30分

Source: Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.

三菱重工、台湾電力・林口石炭火力発電所でのアンモニア混焼へ覚書に調印
三菱重工が三菱商事および三菱商事マシナリとの関係4社で

東京, 2022年11月17日 - (JCN Newswire) - 三菱重工業は、台湾公営の台湾電力(台湾電力股※有限公司、Taiwan Power Company:TPC)が運営する林口石炭火力発電所(新北市林口区)でアンモニア混焼の導入に向けた検討を実施することに合意し、11月16日にTPCほか関係者間でMOU(覚書:Memorandum of Understanding)に調印しました。CO2排出量削減に向けた世界的潮流と台湾のエネルギー政策転換を受けたTPCの電源構成目標達成プロジェクトに沿い、石炭消費量削減につなげるのが狙いです。

MOU調印式には、TPCを代表して王耀庭 総経理が出席。当社からはエナジートランジション&パワー事業本部長を務める上席シニアフェローの土師 俊幸が出席しました。同MOUは、当社のほか三菱商事株式会社および同社子会社でインフラEPC(設計・調達・建設)ビジネス等を手掛ける三菱商事マシナリ株式会社が、TPCと調印したものです。林口発電所は、台北中心部の西約20kmに位置し、当社が納入した3系列の超臨界圧石炭焚きボイラー・蒸気タービン発電設備で構成され、総出力は240万kWです。

2025年までのフェーズ1でアンモニア5%混焼の基礎検討を実施する計画で、当社は三菱商事マシナリと、アンモニア混焼に向けたアンモニアバーナーをはじめとする混焼に必要な装置・機器の検討・供給を行います。三菱商事は、クリーン燃料アンモニアの安定供給確保に向けたサプライチェーンの構築について検討します。2026年以降のフェーズ2では、林口発電所の設備1系列を使った実機実証に取り組み、2028~2030年での混焼率5%の実現、以降さらに混焼率20%への引き上げと同発電所にある他系列への展開を目指します。

台湾では、旺盛な電力需要を背景に電力の安定供給が課題となる一方、石炭やガスを燃料とする火力発電設備については環境負荷低減や脱炭素化が強く求められてきました。本年3月には「2050年ネットゼロ排出ロードマップ」が公表され、その中でもゼロカーボンエネルギーシステムを構築するためのエネルギー転換は重要戦略の一つとして掲げられており、石炭とアンモニアの混焼は潜在的な脱炭素技術の一つとして台湾でも大きく期待されています。

当社は、TPCに多くの火力発電設備を納入してきました。また、納入後の安定運転に寄与するアフターサービスなど各種ソリューションの提供を継続して行っており、今回のMOU調印は、こうした実績に裏打ちされた信頼と長期にわたる両社の良好な関係が高く評価されたことによるものです。

TPCの王総経理は次のように期待を表明しました。「今回の覚書を通じて、台湾電力は自社の技術強化および経験の蓄積に加え、実証の過程で得られたデータを三菱重工と三菱商事グループにフィードバックすることで、三菱重工のさらなる技術力向上にも寄与します。本件を皮切りに三菱重工・三菱商事グループとさらなる協調関係を発展させていくことを望みます」。

三菱重工の土師は、次のように述べました。「これまで当社は50年近くにわたり台湾の発電業界の発展に寄与してきました。今回のアンモニア混焼技術に関する我々の共同検討は、台湾と日本の継続的な発展に貢献することができます。三菱重工の持つ革新的な技術と、台湾電力の持つ発電所運営の深い知見を掛け合わせることで、エナジートランジションを強く推進していけると確信しています」。

当社は、今回のMOU調印によるTPCとの連携に加え、IPP(独立電力事業者)を含めた台湾電力業界全体のニーズである低・脱炭素化および性能向上に向けた提案に努めるとともに、台湾電力業界の発展に貢献する今回の実証計画を完遂することに全力を挙げて取り組み、台湾における電力の安定供給と環境負荷の低減に貢献していきます。

【編注】※は人偏に「分」

本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.mhi.com/jp/news/22111702.html

三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。 www.mhi.com/jp

Source: Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.
セクター: エネルギー

Copyright ©2024 JCN Newswire. All rights reserved. A division of Japan Corporate News Network.

関連プレスリリース


三菱重工と日本ガイシ、アンモニア分解ガスからの膜分離水素精製システムを共同開発
2024年04月18日 14時00分
 
三菱重工航空エンジン、航空エンジン向け燃焼器製造の「MHIAEL長崎工場」2期棟を竣工
2024年04月12日 08時00分
 
ボーイング、三菱重工業、SMBCアビエーションキャピタルが共同で委託した持続可能な航空燃料(SAF)に関するレポートを発表
2024年04月09日 18時00分
 
三菱重工、特定技術分野の最高峰「技監」と技能の最高峰「範師」を新たに認定
2024年03月21日 14時30分
 
三菱重工、役員人事を発表
2024年03月18日 18時00分
 
三菱重工、2023年にガスタービン世界市場でシェア1位を獲得
2024年03月15日 18時00分
 
三菱重工、海上保安庁向け大型巡視船の命名・進水式を三菱重工マリタイムシステムズで実施
2024年03月14日 19時00分
 
三菱重工、成長戦略のエナジートランジション事業を推進する「GXセグメント」を新設
2024年03月14日 11時50分
 
三菱重工、英国チェシャー州の先進的な低炭素水素製造プロジェクト向けにCO2回収技術ライセンスを提供
2024年03月12日 19時00分
 
三菱重工マリタイムシステムズで建造した弓削商船高等専門学校向け練習船「弓削丸」の引渡式を実施
2024年03月12日 19時00分
 
もっと見る >>

新着プレスリリース


もっと見る >>