2026年01月28日 10時15分

Source: Fujitsu Ltd

富士通と東海国立大学機構、AI技術を駆使した意思決定のための宇宙天気の予測を実現

東京, 2026年1月28日 - (JCN Newswire) - 富士通株式会社(注1)(以下、富士通)と国立大学法人東海国立大学機構(注2)(以下、東海国立大学機構)は、太陽放射線イベント(注3)を対象に、富士通が開発した説明可能なAI技術「Fujitsu Kozuchi XAI」の一つである「Wide Learning™」を用いた発生確率推定と根拠に基づく過去類似イベント提示を組み合わせて宇宙天気(注4)を予測する技術(以下、本技術)を開発しました。

本技術は、従来の太陽フレアの規模による単純な経験則では推定が困難であった太陽放射線イベントについて、AIによって複雑な因果関係を説明可能な形で抽出するものです。さらに、抽出した条件に基づいて、発生することが予測されるイベントと似た過去の太陽放射線イベントを提示することで、同イベントによって実際に生じた具体的な実生活への影響や対応事例を参照することが可能となります。

本技術を活用することで、将来の太陽放射線イベントによるリスクや必要な対策を、科学的根拠に基づいて迅速に判断できる環境の実現を目指します。

背景

太陽表面で発生するフレア(注5)やコロナ質量放出(CME)(注6)などの太陽活動は、地上インフラに対して、通信障害、電離圏攪乱(注7)によるGPS精度低下、送電網の電流増大など、社会生活に影響を及ぼすことが知られています。また、太陽活動は時に地球周辺へ高エネルギー粒子(太陽放射線)を到来させることがあります。これらの太陽放射線イベントは、宇宙飛行士や人工衛星に深刻な影響をもたらし、特に宇宙空間では致死量に達する可能性も指摘されています。一方で、太陽放射線は太陽フレアが大規模であるほど生じやすいことが知られているものの、フレアの大きさと放射線量との間には強い相関がなく、太陽放射線イベントの発生リスクを事前に正確に予測することが困難でした。

図:太陽活動と太陽放射線イベントによる影響

概要

以上の背景を踏まえて、富士通と東海国立大学機構は、太陽放射線イベントの事前予測精度向上と、本予測システムを運用する現場において実際にリスク判断を行う際に科学的根拠を提示することを目指し、以下の技術を開発しました。 

1.「Wide Learning™」により太陽放射線イベントの発生確率を推定する技術

「Wide Learning™」が多様な観測量(太陽磁場、フレア特性など)から特徴量の関係性を学習し、どの要因が発生確率を押し上げたか、特異的な組み合わせ条件は何かを明確に提示します。これにより、従来ブラックボックス化していた予測結果に対し、科学的に説明可能な根拠を付与します。 

2. 予測根拠に基づいて過去の類似イベントを提示する技術

「Wide Learning™」が抽出した条件をもとに、過去の太陽放射線イベントの中から、最も類似する事象を自動で選定することができます。その結果、当時観測された放射線量や、具体的な影響を照合し、運用者が参考にすべき事象を提示することが可能となります。これにより、利用者は単なる確率予測ではなく、この予測は過去のどの事象と似ており、どの程度の影響が見込まれるかを即座に把握できます。 

太陽放射線は、宇宙空間では宇宙飛行士の致死量に至る可能性があるリスクとして国際的に認識されています。本技術により、宇宙飛行士の船外活動、月面拠点での作業計画、月・火星輸送機などの有人輸送スケジュールにおいて、放射線リスクを踏まえた最適な運用判断が可能になります。 

今後について

今回開発した技術は、宇宙天気の理解向上にとどまらず、電力網、衛星通信、GPS誤差増大、航空機の極域飛行など、宇宙天気の影響を受ける社会インフラ全般の保護にも活用が期待できます。富士通の「Wide Learning™」技術の有効性を宇宙天気分野で示すものであり、持続可能でレジリエントな社会の実現に寄与する基盤技術として、今後も発展させていきます。 

URL https://global.fujitsu/ja-jp/pr/news/2026/01/28-01 

Source: Fujitsu Ltd
セクター: Enterprise IT

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