東京, 2026年5月20日 - (JCN Newswire) - トラスコ中山株式会社(注1)(以下、トラスコ中山)と富士通株式会社(注2)(以下、富士通)は、富士通の事業モデル「Uvance」のデータ活用から業務実行までを一体化したオールインワンオペレーションプラットフォーム「Fujitsu Data Intelligence PaaS」(注3)を活用し、トラスコ中山の人事異動における意思決定の高速化に取り組みました。本取り組みでは、AIと数理最適化モデルを活用し、トラスコ中山の多様な人事制度と人事担当者の判断軸を反映した人事異動案を提案するアプリケーション(注4)を約4か月で構築し、2026年4月の人事異動から活用を開始しています。
背景
トラスコ中山は、部門を越えた人事異動を通じて、従業員一人ひとりの成長を促すとともに、組織全体の最適化を図る人材戦略を推進してきました。こうした人材戦略のもと、人事異動案の検討にあたっては、個人の成長と組織全体の最適化を考慮した配置判断を行ってきました。さらに、従業員が安心して長く働ける環境づくりの一環として、多様な人事制度を設けてきたことから、人事異動において考慮すべき事項が複雑化していました。その結果、これらの要素を踏まえた人事異動案の検討に多大な時間を要していました。
取り組みの概要
本取り組みでは、担当者の経験や暗黙知、状況に応じた判断が重要となる人事業務の特性があることから、富士通のFDE(Forward Deployed Engineer)が現場に入り、トラスコ中山の人事部門と伴走しながら、人事異動業務の理解と業務プロセスの整理を行いました。その上で、両社はデータとAIを活用した人事異動の意思決定プロセスの高速化に取り組み、複雑な要素を考慮した人事異動案を担当者に提案するアプリケーションを迅速に開発しました。本アプリケーションは、以下の3つの特長を持ち、人事担当者の配置案検討・判断を支援することで、トラスコ中山の人事異動における意思決定の効率化に貢献します。
1. 社内に点在する複数のシステムを集約し、情報を一元管理
本アプリケーションは、トラスコ中山の社内に点在する複数のシステムやExcelなどで管理された人事データを「Fujitsu Data Intelligence PaaS」上に集約し、一元管理します。これにより、人事異動案の検討に必要な情報を網羅的に活用できるようになり、多角的な検討を可能にします。
2. 数理最適化モデルを活用し、人事異動案を作成
トラスコ中山では、1回の人事異動でおよそ100人規模の配置を検討することもあり、その組み合わせは10の158乗通りにも及びます。本アプリケーションでは、所属年数などの項目(項目例は下記参照)の定量的な判断軸を入力条件として、本取り組みのために富士通が独自に構築した数理最適化モデルを用い、膨大な組み合わせの中から、各種条件を満たす配置案を導き出します。これにより、人事異動案作成にかかる工数を約98%削減しました。
3. AIを活用した対話型の判断支援
トラスコ中山の人事情報に加え、人事異動において人事担当者が日常的に重視してきた判断の観点を整理し、人事異動案作成時に担当者が参考として活用できるAIチャット機能を構築しました。本機能の活用により、人事担当者は、数理最適化モデルで作成された人事異動案に対して網羅的な視点で考慮ができているか、対話を通じて確認することが可能となります。これにより、人事担当者は定量データだけでは十分に配慮しきれない従業員のキャリア志向や配置による影響などについて、AIとの対話を通じて得られる示唆を参考にしながら、最終的な人事異動に関する判断を行います。
今後について
トラスコ中山は今後、本アプリケーションを活用し、各項目を考慮しながらも高速に提示される人事異動の初期案をもとに戦略的人事異動を推進し、自社の独自の制度や取り組み、従業員一人ひとりの成長と事業の持続的な発展を継続する人材戦略の仕組みづくりを進めていきます。富士通は今後、FDEによる共創型アプローチをさらに強化し、現場に入り込みながら迅速にプロジェクトを推進していきます。その上で、テクノロジーを通じて人事領域にとどまらず、様々な経営・業務課題に対するデータドリブンな変革を支援していきます。また、社会課題を起点とする事業モデル「Uvance」のもと、データとAIによる財務・非財務の両面における意思決定の高度化を実現し、企業価値向上と持続的な成長を前進させます。
URL https://global.fujitsu/ja-jp/pr/news/2026/05/20-01