2015年07月29日 09時00分

Source: Eisai

エーザイ、自社創製の新規抗がん剤「レンビマ(R)」 腎細胞がんの適応で米国FDAよりブレイクスルーセラピーの指定を受領

東京, 2015年07月29日 - (JCN Newswire) - エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、米国子会社であるエーザイ・インクが、自社創製の新規抗がん剤「レンビマ(R)」(一般名:レンバチニブメシル酸塩、以下 レンバチニブ)の進行または転移性腎細胞がんの適応に対して、米国FDAよりブレイクスルーセラピーの指定を受けましたのでお知らせします。

ブレイクスルーセラピーとは、重篤あるいは生命にかかわる疾患に関する薬剤の開発および審査の促進を目的とした米国FDAの制度です。この指定により、承認までの期間短縮のための開発・申請計画の相談や審査資料の段階的提出・審査などの制度が利用可能になります。ブレイクスルーセラピーの指定には、臨床的に重要な評価項目において、既存の治療法と比較して、当該薬剤の顕著な改善を示す予備的臨床エビデンスが必要です。

今回のブレイクスルーセラピーの指定は、レンバチニブにおける、血管内皮細胞増殖因子を標的とする治療後の、進行または転移性腎細胞がんを対象とした臨床第II相試験(205試験)[1]に基づくものです。本試験において、レンバチニブ/エベロリムス併用投与群(以下、併用投与群)は、エベロリムス単剤投与群と比較して、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を有意に延長しました。また、レンバチニブ単剤投与群は、エベロリムス単剤投与群と比較して、PFSを延長しました。さらに、併用投与群およびレンバチニブ単剤投与群は、エベロリムス単剤投与群と比較して、より高い奏効率を示しました。全生存期間に関しては、2014年12月時点におけるアップデート解析で、併用投与群におけるエベロリムス単剤投与群に対する延長が示唆されました。本試験における主な有害事象は、併用投与群では下痢、食欲減退、疲労であり、グレード3以上の主な有害事象は、下痢、高血圧、疲労でした。

腎がんの罹患者数は、2012年において世界で約33万8千人、米国では約5万8千人と推定されています[2]。腎細胞がんは、腎臓におけるがんの90%以上を占めています[3]。手術が難しい進行または転移性の腎細胞がんでは、分子標的薬による治療が標準ですが、5年生存率が低く、依然としてアンメット・メディカル・ニーズの高い疾病です。205試験の結果は、進行または転移性腎細胞がんの二次療法として、全米総合がん情報ネットワーク(The National Comprehensive Cancer Network:NCCN)の診療ガイドラインで推奨されている薬剤のひとつであるエベロリムス単剤に対して、レンバチニブ/エベロリムス併用の優位性を示唆するものです。なお、現在、主要国で、進行または転移性腎細胞がんの二次治療の適応で承認されている併用療法はありません。

当社は、205試験の結果を審査当局と共有しており、腎細胞がんに係る適応での申請可能性について、当局と協議を行っています。レンバチニブは、米国、日本、欧州において、甲状腺がんに係る適応で販売されており、加えて、肝細胞がんなどを対象にした臨床試験が進行中です。当社は、レンバチニブによるがん治療の可能性を引き続き追求し、がん患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。(PDF版)
http://www.eisai.co.jp/news/news201552pdf.pdf

[1] Robert Motzer, et al, "Randomized phase II, three-arm trial of lenvatinib (LEN), everolimus (EVE), and LEN+EVE in patients (pts) with metastatic renal cell carcinoma (mRCC)." Journal of Clinical Oncology 33(15), 2015 (suppl; abstruct 4506)
[2] GLOBOCAN2012: Estimated Cancer Incidence, Mortality and Prevalence Worldwide in 2012. http://globocan.iarc.fr/
[3] Eble J.N, et al. Pathology and Genetics of Tumours of the Urinary System and Male Genital Organs, World Health Organisation classification of tumours. (International Agency for Research on Cancer, Lyon, France in 2004)

概要:エーザイ株式会社

エーザイ株式会社は、研究開発型のヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業で、グローバルに研究・製品の開発・販売活動を行っている。エーザイは、神経・精神領域を含むインテグレーティブ・ニューロサイエンス、がん治療と支持療法を含むインテグレーティブ・オンコロジー、血管・免疫反応領域の3つの治療領域に活動を集中し、世界各地にある研究、生産、販売拠点を通じて、世界の患者様に貢献している。エーザイ株式会社の詳細情報は www.eisai.co.jp をご覧ください。

Source: Eisai
セクター: バイオテック

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