2016年09月30日 10時00分

Source: Eisai

エーザイ、抗がん剤「レンバチニブ」の進行性腎細胞がん一次治療対象の臨床第III相試験を開始
「レンバチニブ/エベロリムス」、「レンバチニブ/ペムブロリズマブ」の2つの併用療法で同時開発

東京, 2016年09月30日 - (JCN Newswire) - エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役 CEO:内藤晴夫)は、このたび、自社創製のマルチキナーゼ阻害剤レンバチニブメシル酸塩(以下 レンバチニブ)と抗がん剤エベロリムスまたは抗PD-1抗体ペムブロリズマブとの2つの併用療法に関して、進行性腎細胞がんの一次治療を対象としたグローバル臨床第III相試験(307試験、CLEAR試験)を開始することをお知らせします。

CLEAR試験 (Comparison of the efficacy and safety of Lenvatinib in combination with Everolimus or pembrolizumab versus sunitinib alone in first-line treatment of subjects with Advanced Renal cellcarcinoma)は、進行性腎細胞がんの患者様を対象とした「レンバチニブ/エベロリムス」および「レンバチニブ/ペムブロリズマブ」併用投与群の 2 群と、一次治療の標準療法であるスニチニブ単剤投与群との有効性と安全性を比較する、多施設共同、無作為化、非盲検の臨床第III相試験です。本試験では、無増悪生存期間(progression-free survival: PFS)を主要評価項目として評価します。

レンバチニブとエベロリムスを併用した非臨床研究において、レンバチニブが腫瘍血管新生に関与するシグナル伝達経路の上流(VEGFR:血管内皮増殖因子受容体とFGFR:線維芽細胞増殖因子受容体)を、エベロリムスが下流(mTOR:mammalian target of rapamycin)をそれぞれ抑制することで、血管新生阻害の相乗的な増強、および腎細胞がんに対して単剤より強い増殖阻害を示すことが報告されています[1]、[2]。さらに、レンバチニブと抗PD-1抗体を併用した非臨床研究においては、レンバチニブが免疫抑制性の腫瘍関連マクロファージを減少させ、抗PD-1抗体の抗腫瘍活性を有意に増強するという併用メカニズムが示唆されています[3]。

腎がんの罹患者数は、2012年において世界で約33万8千人、欧州では約11万5千人、米国では約5万8千人、日本では約1万7千人と推定されています[4]。腎細胞がんは、腎臓におけるがんの90%以上を占めており[5]、尿細管の細胞ががん化したものです。罹患率は50歳代後半以降に増加し、また女性より男性に多く発症するといわれています。手術が難しい進行性や転移性の腎細胞がんでは、分子標的薬による治療が標準ですが、5年生存率が低く、依然としてアンメット・メディカル・ニーズの高い疾病です。

現在、レンバチニブは、甲状腺がんに係る適応で米国・日本・欧州など45カ国以上で承認を取得しています。また米国では、「血管新生阻害薬の前治療歴を有する進行性腎細胞がんに対するエベロリムスとの併用療法」の適応で、2016年5月に適応追加の承認を取得しています。さらに欧州においても「血管内皮増殖因子を標的とした薬剤の前治療歴を有する成人での進行性腎細胞がんに対するエベロリムスとの併用療法」の適応で 2016 年 8 月に承認を取得しています。

当社は、がん領域を重点領域の一つと位置づけており、がんの「治癒」に向けた革新的な新薬創出をめざしています。当社はレンバチニブのさらなるエビデンスの創出に注力し、本剤の製品価値最大化を通じて、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。


本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://www.eisai.co.jp/news/news201669pdf.pdf

[1] Mitsuhashi K, et al. Effects of Lenvatinib Mesilate in Combination with Everolimus on VEGF and FGF-driven Angiogenesis and Tumor
Growth. AACR Meeting Abstract, 2016; 3262
[2] Adachi Y, et al. Lenvatinib mesilate in Combination with Everolimus Demonstrated Enhanced Antiangiogenesis and Antitumor Activity in
Human RCC Xenograft Models. AACR Meeting Abstract, 2016; 3264
[3] Kato Y, et al. Effects of lenvatinib on tumor-associated macrophages enhance antitumor activity of PD-1 signal inhibitors. AACR Meeting
Abstract, 2015; A92
[4] GLOBOCAN2012: Estimated Cancer Incidence, Mortality and Prevalence Worldwide in 2012. http://globocan.iarc.fr/
[5] Eble J.N, et al. Pathology and Genetics of Tumours of the Urinary System and Male Genital Organs, World Health Organisation classification
of tumours. (International Agency for Research on Cancer, Lyon, France in 2004)

概要:エーザイ株式会社

エーザイ株式会社は、研究開発型のヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業で、グローバルに研究・製品の開発・販売活動を行っています。エーザイは、神経・精神領域を含むインテグレーティブ・ニューロサイエンス、がん治療と支持療法を含むインテグレーティブ・オンコロジー、血管・免疫反応領域の3つの治療領域に活動を集中し、世界各地にある研究、生産、販売拠点を通じて、世界の患者様に貢献しています。エーザイ株式会社の詳細情報は www.eisai.co.jp をご覧ください。

Source: Eisai
セクター: バイオテック

Copyright ©2024 JCN Newswire. All rights reserved. A division of Japan Corporate News Network.


Latest Release

More Latest Release >>