2025年05月19日 11時06分

Source: Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.

三菱重工、環境に配慮した次世代新交通システムの新ブランド「Prismo」を開発、市場投入
カーボンニュートラル化を進める広島・三原製作所で製造してCO₂削減

東京, 2025年5月19日 - (JCN Newswire) - 三菱重工業は、2000年代から全世界へ納入してきた全自動無人運転車両システム(AGT(注1):Automated Guideway Transit)Crystal Moverファミリーの新たなブランドとして、より環境に配慮した「Prismo(プリズモ)」をこのほど開発し、市場に投入しました。Prismoは、当社が新たに開発したエネルギーマネジメントシステムを初採用し、駅での急速充電と走行中の回生蓄電を融合させることでエネルギー効率を高めています。これにより、駅間の架線をなくし(架線レス化)、シンプルなシステムを実現。全自動無人運転の世界を次のステージへ導きます。

本エネルギーマネジメントシステムには、武蔵エナジーソリューションズ株式会社(社⾧:髙橋 航史氏、本社:山梨県北杜市)および三菱電機株式会社(社⾧:漆間 啓氏、本社:東京都千代田区)が共同開発している次世代蓄電モジュール「MHPB(Mitsubishi High Power Battery)」を、AGT用にカスタマイズし搭載しています。

このエネルギーマネジメントシステムの採用により、運行中の車両の減速時に発生する回生電力を車両に無駄なく蓄電・活用することで、従来のAGTシステムと比べ約10%の省エネ運行(注2)および約10%のCO2排出量削減を実現します。また、駅間の架線による給電が必要ないため、万一の停電時も次の駅まで支障なく乗客を送り届けることができます。

さらにPrismoは、センターガイド方式(注3)を採用したことにより、軌道をスリムに設計できるため、土木構造物を含めたインフラ建設費を大きく削減することができ、景観向上にも寄与します。加えて、架線やガイドの削減により、電気・軌道設備を点検・交換する作業も大幅に減り、保守コストも低減できます。

また、必要な電力の全てを三菱重工 和田沖太陽光発電所の電力で賄うなどして工場のCO2排出量を97.5%削減した当社の「カーボンニュートラルトランジションハブ三原」(広島県三原市にある三原製作所)で車両製造することやインフラの物量削減により、新交通システムの製造・建設時のCO2排出量を従来に比べ40%以上削減(注2)します。上述の製造・建設と省エネ運行、そしてメンテナンス・廃棄まで含めたライフサイクル全体で排出するCO2は、従来製品と比較して約6,400 トン削減(注2)することとなります。

三菱重工は環境にやさしく、運行コストの低減・景観向上に寄与するPrismoにより、都市交通を通じたカーボンニュートラル社会の実現に向け、より邁進していきます。

三菱重工の新交通システムについて

三菱重工は、1910年に客車と市街電車の製造を開始して以来、交通製品の製造において長い歴史があり、鉄道の安全を支えてきました。また、米国・アジアで多数の建設・運用・メンテナンスの実績を有し、蓄積した技術と環境性能を生かした新システムは、以下の特長があります。

高い安全性と稼働率:実績と革新を重ねた自社開発・製造のブレーキ、空調機、ならびに車上管理システムを搭載し、長期にわたる高い稼働率を実現大量輸送:交通渋滞の影響を受けず、大量輸送が可能柔軟なダイヤ編成:需要に応じた柔軟な運行環境配慮:電気駆動システムを採用し、一人当たりの搬送に伴うCO2による負荷を抑制コンパクトな設計:都市の狭いスペースでも追設・運用が可能な車両・軌道低コスト運営:自動運転により、人材の確保・育成にかかる労力を削減し、メンテナンスコストも低減1AGTは、電力駆動によって完全自動走行する新交通システム。ゴムタイヤ方式を採用しているため、走行が低振動かつ低騒音であるのが特長。都市内交通および空港内・周辺の移動用として世界各地で採用されており、三菱重工は国内外で多数のAGT納入実績を有しています。2既に納入した空港AGTシステムの規模想定で、当社の既存AGTシステムと比較した値。3センターガイド方式は、ガイドレールを車両の左右両側に配置するのではなく、車両の中央下部に配置します。新設時はガイドレールが半減して、軌道幅をスリムにし、コストを抑えるといった効果が見込まれます。

三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。詳しくは: 三菱重工グループのウェブサイト: www.mhi.com/jp

URL https://www.mhi.com/jp/news/250519.html 

Source: Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.
セクター: エネルギー, エンジニアリング, 宇宙・防衛, 建設, EV, Smart Cities

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