2026年06月10日 19時00分

Source: KKR

KKR、ヘンリー・マクベイによる2026年中間期、グローバル・マクロ見通しレポートを発表
景気サイクルは持続するも、「乖離の難題」が加速化

注:以下は、KKRが2026年6月10日に米国NYで配信したリリースの日本語訳です。

東京, 2026年6月10日 - (JCN Newswire) - 世界有数の投資会社であるKKRは、バランスシートCIO(最高投資責任者)兼グローバル・マクロ&アセット・アロケーション(GMAA)統括責任者のヘンリー・マクベイが2026年中間期のグローバル・マクロ見通し(原題「The Divergence Conundrum」)を発表しました。

本レポートでは、マクベイおよびGMAAチームが、世界経済は依然として拡大基調にあるものの、その基調にはばらつきがあり、分散が一段と加速する局面に突入しているとしています。「景気サイクルはまだ終焉を迎えていないが、より選別的になっている」とマクベイは述べており、経済の恩恵が特定の地域、産業、資産クラスに集中し、ばらつきが拡大しているとしています。GMAAチームは、1870年代、1920年代、1990年代後半の過去の類似例を参照しつつ、乖離が広がる局面は決して前例がないわけではないとしながらも、今日の局面はこれまで以上に広がりをみせる可能性があると指摘しています。

GMAAチームはこうした状況を「乖離の難題」と名付けています。それは、地政学的分断、エネルギー安全保障問題、そして戦略的競争がインフレの基調を従来より高い水準に押し上げているにもかかわらず、生産性向上というブームの裾野が広がることで景気サイクルが長期化している市場環境を表しています。GMAAチームの見立てでは、各国経済がコロナ前の効率性優先モデルから、レジリエンス、供給網の多重化、統制を重視するモデルへと変化する中で、この組み合わせは、各国中央銀行にとってますます舵取りが困難なものになっていくとしています。

こうした状況を踏まえ、本レポートでは投資家に対し、クオリティの高い資産を保有し続けること、名目GDPに連動した資産への分散投資を行うこと、そして業務改善の余地がある投資機会を重視することを推奨しています。具体的には、コーポレート・カーブアウト、担保に裏付けられたキャッシュフロー、電力・エネルギーインフラ、そして「あらゆるものの安全保障(Security of Everything)」に関連する投資機会に着目しています。一方で、長期国債、2021年に組成された過剰レバレッジを抱えた案件、低所得者層向け消費関連投資、そして低インフレ、低金利、潤沢な流動性という旧来の環境への回帰を前提とした資産については、引き続き慎重な姿勢を維持しています。

また本レポートでは、とりわけアジアにおいて、企業改革、AIインフラ、消費の高度化が長期的なテーマとなっているいくつかの市場についての確信を強めています。欧州については、地域経済が崩壊しているのではなく、「二極化」していると論じています。スペインやイタリアを含む周辺諸国が内需の堅調さ、観光業の活況、財政主導の投資を背景に、欧州の中核工業諸国を上回るパフォーマンスをみせているためとしています。

本レポートでは、市場において変化の度合いが過小評価されているいくつかの分野を取り上げています。

  • 「あらゆるものの安全保障(Security of Everything)」というテーマは当初の想定よりも広い。このテーマは防衛の枠を超えて、食料、水、エネルギー、そして重要物資にまで及んでいます。安全保障は経営者や政策立案者にとって中核的な前提条件になりつつあると指摘しています。
  • AIによる生産性向上の恩恵は2026年になってようやく顕在化し始めた。コロナ禍以降、生産性の向上は、主にサービス業における自動化とデジタル化が牽引してきており、今回の景気サイクルはいかなる単一の技術トレンドよりもはるかに広範で長期化する可能性を示唆しています。
  • 中国を除く全地域において、インフレ率はコンセンサスを構造的に上回って推移する公算が高い。これまでインフレの抑制要因であった財価格の下押し効果が薄れ、地政学的ショックがより頻繁に発生するようになるためです。
  • 世界的な金融緩和サイクルは終焉を迎えつつある。2026年5月末時点で、世界の主要中央銀行(上位30行)のうち10%が利上げを実施しており、これは2025年末時点の3%から増加しています。一方、依然として利下げを継続している中央銀行は40%にとどまっています。
  • 原油価格は中期的には先物市場が織り込む水準よりも高い水準で推移する可能性を想定。供給側の余剰能力の枯渇、備蓄積み増しの必要性、シェールオイル生産の規律ある供給体制、OPECプラスの財政的インセンティブ、そして根強い地政学的リスクがその背景にあります。
  • 現在の景気サイクルでは、企業や家計ではなく、政府が過剰なレバレッジを抱えている。その結果、債券と株式の相関関係が高まり、債券はポートフォリオの下落リスクを緩和する緩衝材としての役割が薄れています。
  • ポートフォリオの構築そのものがリターン創出のより重要な源泉となる。ばらつきが拡大する中、運用者の選定、分散投資、ポジションサイズの管理、セクター配分、ドキュメンテーション(契約条件)、そして利回りに関する規律がこれまで以上に重要になると考えています。
  • アジアは引き続きチームが最も確信を持って推奨する地域のひとつである。企業改革、AIインフラ、消費の高度化が、プライベートエクイティ、インフラ、コーポレート・クレジット分野における投資機会を引き続き支えています。
  • チームは引き続き金融工学ではなく、業務改善に裏付けられたプライベート市場の投資機会を重視している。今後は、執行能力、ガバナンス、生産性向上、利益率の改善が価値向上の源泉になるとしています。

本レポートでは、GMAAチームによる最新の世界経済見通し、インフレ、金利、為替、資本市場、相対価値に関する見解も詳述しています。さらに、世界の債券市場のダイナミクス、期待リターンの見通し、クレジット市場における投資機会など、投資家から寄せられた質問にも回答しています。

本レポート全文およびヘンリー・マクベイによる過去のレポート(英語原文)は、以下よりご覧いただけます。

  • 最新のレポートをご覧になるには、こちらをクリックしてください。
  • 過去のレポートはこちらをご覧ください:www.kkr.com/insights

ヘンリー・マクベイについて

2011年KKRに入社、現在はグローバル・マクロ、バランスシート、リスクチームの責任者。KKRのバランスシートのCIO(最高投資責任者)として、KKRの事業全体にかかる市場リスクをモニターしています。また、戦略的パートナーシップ・イニシアチブの共同責任者も務めています。現在、KKRのグローバル・オペレーティング委員会およびリスク&オペレーション委員会のメンバーです。KKR入社前は、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント(MSIM)においてマネージング・ディレクター、リード・ポートフォリオマネージャー、グローバル・マクロおよび資産配分の責任者を務めていました。詳細略歴はこちらをご覧ください。

KKRについて

KKRはグローバル投資会社で、オルタナティブ・アセット、キャピタル・マーケッツ、そして保険ソリューションを提供しています。長期的かつ規律ある投資アプローチで、世界トップクラスの人材を投じてポートフォリオ企業やコミュニティの成長を支援し、魅力的な投資リターンを創出することを目指しています。KKRはプライベートエクイティ、クレジット、実物資産に投資する投資ファンドのスポンサーとなっており、また、ヘッジファンドを管理する戦略的パートナーを有しています。KKRは、保険子会社グローバル・アトランティック・ファイナンシャル・グループ(The Global Atlantic Financial Group)管理下で退職金、生命保険、再保険商品を提供しています。KKRの投資に関する記述にはKKRがスポンサーとなっているファンド及び保険子会社による活動が含まれる場合があります。KKR(NY証取:KKR)についてはwww.kkr.comをご覧ください。グローバル・アトランティック・ファイナンシャル・グループについては、www.globalatlantic.comをご覧ください。

注意事項

レポートおよびここに要約された内容における見解は、KKRのヘンリー・マクベイ個人の見解であり、必ずしもKKR、またはKKRが運用または提供する戦略や商品に関する見解を反映するものではありません。ここに含まれるいかなる記載内容も、投資、法務、税務その他の助言を構成するものではなく、また、投資判断その他の意思決定に際して依拠すべきものではありません。このリリースは、情報提供のみを目的として作成されたものであり、現在・過去・将来における推奨、または有価証券の売買もしくは投資戦略の採用を勧誘するものとみなされるべきではありません。このリリースには将来予想に関する記述が含まれており、これらは信念、仮定および期待に基づくものでありますが、多数の事象または要因により変更される可能性があります。かかる変更が生じた場合、実際の結果は、当該将来予想に関する記述において示された内容と大きく異なる可能性があります。すべての将来予想に関する記述は、その記述がなされた日付時点においてのみ有効なものであり、KKRおよびヘンリー・マクベイは、法令により義務付けられる場合を除き、当該記述を更新する義務を負いません。

Source: KKR
セクター: 金融, ビジネス, 銀行, アントレプレナー, デジタル

Copyright ©2026 JCN Newswire. All rights reserved. A division of Japan Corporate News Network.

関連プレスリリース


KKRと太陽ホールディングス、KKRによる公開買付けの開始に合意
2026年03月31日 23時55分
 
KKR、アジアのプライベート・クレジット投資向けに25億米ドルを調達
2026年01月15日 10時00分
 
KKR、フォーラムエンジニアリングに対する公開買付けを完了
2025年12月24日 15時30分
 
PAG、KKR及びサッポロホールディングス、サッポロ不動産開発の株式譲渡に関する契約締結を発表
2025年12月24日 15時00分
 
KKR、フォーラムエンジニアリングに対する公開買付けを開始
2025年11月10日 15時30分
 
KKR、保険見直し本舗グループの買収を完了
2025年09月16日 16時00分
 
KKR、トプコンに対する公開買付けを完了
2025年09月11日 17時00分
 
かんぽ生命、KKR及びGlobal Atlantic運用の再保険ビークルへ20億米ドルを投資
2025年07月30日 15時30分
 
KKR、トプコンに対する公開買付けを開始
2025年07月28日 19時30分
 
トプコンがMBOにより成長戦略加速、KKRとJICキャピタルが参画
2025年03月28日 18時20分
 
もっと見る >>

新着プレスリリース


もっと見る >>