2025年10月16日 11時20分

Source: Fujitsu Ltd

富士通とインド理科大学院、新素材開発などにより社会課題解決を加速する先端AI技術の共同研究を開始
省電力・高性能なArmベースのCPU「FUJITSU-MONAKA」に適したアルゴリズムを開発

東京, 2025年10月16日 - (JCN Newswire) - 富士通株式会社(以下、富士通)とインド理科大学院(以下、IISc)は、2025年10月1日より、反応拡散系(注1)のシミュレーションを高速化するソフトウェア技術開発の共同研究を開始しました。本共同研究では、化学反応シミュレーションやスマートグリッドにおける電力需要シミュレーションなど自然科学・工学の幅広い分野において活用されている反応拡散系モデルをグラフネットワーク上に実装することで、現実世界のより複雑な問題を実用的な時間で処理できるようにする新たなアルゴリズムを考案し検証します。また、富士通が開発している省電力・高性能なArmベースのCPU「FUJITSU-MONAKA」シリーズの特長を生かし、2030年度までに、反応拡散系のシミュレーションを省電力で高速化するソフトウェアの実現を目指します。

背景

2027年リリースを予定している「FUJITSU-MONAKA」は、独自技術と最先端2nmプロセスを用いており、AIやHPC、データ解析など多様なニーズに対応しながら、優れた性能と電力効率で次世代データセンターの課題を解決し、導入から運用までの総費用(TCO)を削減します。一方IIScは、インドを代表する研究機関として、数々の革新的な研究成果を挙げており、両者の連携は、持続可能な社会の実現に大きく貢献すると期待されます。本共同研究は、両機関の強みを活かし、革新的なソフトウェア技術開発を目指します。

共同研究の概要

反応拡散系とは、局所的な化学反応と空間全体への拡散を数理モデル化したもので、物理学・化学・生物学など自然界の幅広い分野において活用されています。反応拡散モデルは、連続媒体の偏微分方程式によって記述されます。一方で、多くの実世界のシステムはネットワークによってよりよくモデル化されますが、実世界のモデルは相互依存関係が複雑になるため、偏微分方程式で解くことが困難です。本共同研究では、現実社会の様々な事象を扱うグラフネットワークというモデル上で、反応拡散系を扱うことができるアルゴリズムの開発を目的としています。この新アルゴリズムにより、例えば、スマートグリッドにおいて需要予測を素早く行うことができるようになり、再生可能エネルギーを最大限活用でき、CO2排出量の削減に貢献できることが期待されます。さらに、この新アルゴリズムをArm CPU上で高速に処理するためのソフトウェアを開発し、省電力・高性能なArmベースのCPU「FUJITSU-MONAKA」シリーズで実行するための研究開発を行います。本研究のグラフネットワークによる解法はCPUに適したワークロードであり、「FUJITSU-MONAKA」を活用することで需要予測自体の電力削減やリアルタイム化を実現できます。

両者の役割

本共同研究は、富士通とIIScが共同で要件を決定し、IIScが基礎的な理論研究を行い、新しいアルゴリズムや計算方法を研究・提案します。富士通はFujitsu Research of India Private Limited(インド富士通研究所)と共同で、これらの成果を実装し、テストを行うことで、ソフトウェア業界標準を満たすソフトウェアフレームワークの開発を目指します。

IISc

• 反応拡散系モデルのグラフネットワークアルゴリズム・計算方法の確立

• 「FUJITSU-MONAKA」向けの最適なソフトウェア開発を行うための基礎理論研究

• 研究開発のための数学・工学の専門知識の提供

富士通

• 新たに確立されたアルゴリズム・計算手法のソフトウェアフレームワークへの実装と評価

• 「FUJITSU-MONAKA」向けの最適なソフトウェア開発

• 研究開発のためのOSSの知見と専門知識の提供

今後について

IIScと富士通は本研究の成果をもとに、省電力・高性能な「FUJITSU-MONAKA」シリーズを活用してさまざまな社会問題を解決することを通じて、イノベーションによって社会に信頼をもたらし、持続可能な社会の実現に向けて貢献していきます。

URL https://global.fujitsu/ja-jp/pr/news/2025/10/16-01 

Source: Fujitsu Ltd
セクター: Enterprise IT

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